2007年11月29日(木)「しんぶん赤旗」

原爆症

「原因確率」見直さず

検討会、報告書まとめへ


 原爆症認定基準の見直しを議論する厚生労働省の「原爆症認定の在り方に関する検討会」(座長・金沢一郎日本学術会議会長)は二十八日、同省内で第五回会合を開きました。

 焦点となっていた「原因確率」(被爆によって疾病が起こる確率)の数値見直しについて、作業に時間がかかるとして行わないまま、報告の取りまとめ案をつくることになりました。十二月十日の次回検討会に提出される見通しです。

 この日の会合では、原爆放射線による被爆と疾病との関係について、放射線影響研究所の児玉和紀主席研究員と、藤原佐枝子臨床研究部長が意見陳述しました。

 児玉氏は、同研究所の死亡率調査で、がん症例のうち約11%が原爆放射線被爆と関連していると推定されるとのべ、七月に出した報告書では、食道がんなどのリスクが増えることが分かったと紹介しました。

 健康診断を通じた追跡調査をおこなっている藤原氏は、がん以外の疾患について陳述しました。

 青山正明委員(桐蔭横浜大学法科大学院教授)は、放射線起因性について法律上の観点から報告しました。疾病が原爆放射線によるものか判断する「高度の蓋然(がいぜん)性」について、松谷原爆症認定訴訟の最高裁判決では、通常人の経験則にてらして全証拠を総合的に検討して判断すべきだとしていることを指摘。原爆放射線の影響が解明しつくされておらず、被爆者が立証するのが困難な事情を考慮すべきだとのべました。


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