2007年11月27日(火)「しんぶん赤旗」

地道に9条広げる

全国交流集会討論から

戦争体験を語り継ぐ

毎月9のつく日宣伝


 東京都内で二十四日に開かれた「『九条の会』第二回全国交流集会」では、地道に活動を持続し、運動を広げている各地の経験が活発に交流されました。分散会での発言を中心に紹介します。


 「戦争体験を話すときのお年寄りは、眠そうにしていても急に真剣な口調になる。その体験をきちんと若い世代に伝えなければならない」と強調したのは、さいたま市の男性。静岡市の女性も「戦争体験者の話を聞く活動を重視している」と述べ、地元の静岡空襲の紙芝居を行っていると発言しました。

 今回の交流会では、著名人の講演会などで多数の人を集めるだけでなく、地域に密着して地道に活動を広げている経験が数多く報告されました。

 岩手県の「矢巾(やはば)九条の会」の男性は、毎月九のつく日の宣伝と署名を欠かさず実施。駅頭署名が高校生を中心に二万七千人分にもなったと報告しました。町の行事にも積極的に参加、祭りで会員が増えたと述べました。

 東京の「大田たまがわ九条の会」は、プラカードをもってアピールする「九条ウオーク」を開催。改憲手続き法案反対のなかで生まれた活動で、ベビーカーを押す母親や若者も参加し、盛り上がっています。

 市民の目につく宣伝も工夫がこらされています。新潟県の「九条の会三条」は駅前に横五・四メートルの大看板を設置。山形県白鷹町の男性は「九条カルタ」を大きなパネルにして国道沿いにおいてアピールしています。

■視野広げ

 改憲反対の国民の多数派結集をめざして視野を広げている活動も報告されました。

 「みやぎ憲法九条の会」の代表は、県内の首長、元首長にアピール賛同を呼びかける活動を展開。新たに十人の賛同があったことを報告するとともに、近く県民アピールを出すと報告しました。

 宗教法人が九千を数え全国一多い愛知県。「愛知宗教者九条の会」の代表は、すべての宗教法人にアピールを届ける取り組みを続けています。ニュースの発行、講演会・学習会の活動を継続的におこない、住職、牧師に賛同を広げています。

 静岡県「九条の会掛川」は、映画上映運動で市長や教育委員会の後援もうけ、俳優の加藤剛さんのメッセージも直接もらい宣伝。保守系の議員が「おれの周りは、みんな『九条の会』だ」とぼやく状況をつくり出したと胸を張りました。

 組合の違いを超えて運動しているのが東京・国税OB九条の会です。第一組合、第二組合の出身者が一緒に憲法学習を続けています。

 「兵庫県弁護士九条の会」は、会員が二百三十二人。県内の登録弁護士の過半数まであと三十数人というところまで広げています。

 青年の間にどう活動を広げるかも各地の会の悩みであり、重視している点です。北海道名寄市の「名寄九条の会」は、大学の入学式、成人式に「おめでとう」宣伝を実施。ビラに憲法や会の活動を書いて配布しています。また、大学祭のフリーマーケットに出品し、財政を潤すことにもつなげています。

■財政作り

 「毎月四百個売らないと家賃が払えないから、『バッジ売りの少女』になっています」。会場の爆笑を誘ったのが、東京都足立区の「江北9条の会」の女性です。

 どこの会でも、財政をどうつくっていくかは懸案事項。この会では一万六千個もの「九条バッジ」を売って、家賃のほか、運動の費用、講師料までまかなっています。

 「鳥取県中部・九条の会」は、フリーマーケットを開催。出品する品物でカンパしてもらい、売るときには名刺サイズのカードを渡して宣伝もしています。

■地域交流

 県単位・地域単位で活動交流会がおこなわれたり、ネットワークが活動を大きく広げている経験も出されました。

 地域に約二十の「会」が結成されている北海道旭川市内の「会」代表は、「これまで映画上映会やコンサートの機会に交流はあったが、会の交流集会を地域でやって経験を学びあうことは有益だ。帰ったら自分たちもやってみたい」と語っていました。

 また、全体会で発言した「九条の会・豊中」の代表は、市内十五ある「会」が上下、先後関係もなく協力しあうネットワークをつくっていると報告。大きな催しのたびに実行委員会をつくり、成功させてきた経験を語りました。



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