2007年11月24日(土)「しんぶん赤旗」

外交攻勢かける福田首相

真の友 もてない理由


 初の日米首脳会談のために十五―十七日にとんぼ返りで訪米した福田康夫首相は、十九―二十二日にシンガポールを訪問し、東アジア首脳会議や、中国、韓国との首脳会談、東南アジア諸国連合(ASEAN)との会談を重ねました。来年七月の洞爺湖での主要国サミットまで一連の外交攻勢をかけ政権浮上につなげようと躍起となっています。

 シンガポールでは、これまでASEAN会合の場を利用して開いてきた日中韓首脳会談を独立して開催することで合意。首相は、年内または年初に訪中する意向を表明するとともに、来春の胡錦濤中国国家主席の訪日を重ねて招請しました。

 サミットに向けては、環境相(五月)、エネルギー相(六月)の個別会合が連続して開かれ、サミット直前には主要途上国も含む気候変動サミットを洞爺湖で開く意向。第四回アフリカ開発会議(TICAD)も五月に開催されます。

まず対米同盟

 安倍前政権が打ち上げた「自由と繁栄の弧」や「価値観外交」は、中国包囲網だとしてアジア諸国から非難され、米国さえも批判しました。それを踏まえて福田首相が掲げる外交理念は、「日米同盟とアジア外交の共鳴」です。

 対北朝鮮外交での対話姿勢の強調や、日中韓首脳会談の独立開催の合意、中国との関係強化は、関係国から肯定的な反応を呼んでいます。

 問題は、この「共鳴」外交が、あくまで日米軍事同盟の強化を大前提としたものだという点です。福田氏はブッシュ氏との会談後の共同記者発表で、「わが国唯一の同盟国である米国」と表現(十六日)。シンガポールでの記者会見では「共鳴」外交について、「外交の要としてしっかりもっている日米同盟関係を基礎として、筋の通ったアジア外交を展開する」と説明しました(二十一日)。「まず対米同盟ありき」だというのです。

 もちろん日本にとって対米関係は重要です。ところが今日の日米関係は軍事同盟を軸に展開され、福田政権も「米国とともに戦争する国づくり」路線を推進しようとしています。

 福田氏は、アジアの国、アフガニスタンに対する米国の「報復戦争」を支援する自衛隊のインド洋派兵の再開に固執。日本をアジアと全世界に対する米国の先制攻撃戦争の最大の拠点とする米軍再編を積極的に進めようとしています。

侵略の謝罪を

 現首相の父、福田赳夫元首相と親しかったシュミット元西独首相は、「日本が世界で真の友人をもっていない」と繰り返し忠告しました。同氏は、「日本は、広いこの世界で、友であり同盟者である国を一つもっているだけ」だが、「唯一の盟友である米国との関係は、流動的であやふやな状態」だと指摘(一九九五年の広島での演説)。ドイツが行ったように、過去の侵略戦争についてアジア諸国に明確に謝罪するよう助言しました。

 軍事協力最優先の対米追随と侵略戦争への無反省を続けるならば、外交日程をどんなに多く組んでも、アジア近隣諸国の「共鳴」を得ることはできず、日本の安全にも役立たないでしょう。(坂口明)


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