2007年11月18日(日)「しんぶん赤旗」

給油再開に首相「全力」

日米首脳会談 “米軍再編を着実に”

志位委員長が談話


 【ワシントン=鎌塚由美】福田康夫首相とブッシュ米大統領は十六日午前(日本時間十七日未明)、ホワイトハウスで初めての首脳会談を行いました。福田首相は、海上自衛隊によるインド洋での給油活動の再開にむけて「全力を尽くす」と約束。北朝鮮の核問題については、両首脳が完全な核放棄に向けての連携を確認しました。

 日米同盟をめぐっては、ブッシュ大統領が「平和と安全保障のために死活的に重要」と述べ、福田首相は、日米同盟は「両国がグローバルな諸問題に対処していく上で不可欠」「アジア外交を展開する上でも極めて重要な基礎」と語りました。

 両首脳は、日米安保体制が日米同盟の基盤であるとして、「抑止力強化」の重要性を強調。在日米軍再編についても着実に実施することで合意し、日米軍事同盟を地球規模に拡大・強化する方向を確認しました。米軍が求める駐留経費負担についても福田首相は「担当閣僚にしっかり交渉させ、早期にまとめたい」と明言しました。

 福田首相は海上給油問題で、現在国会で審議中の新テロ対策特別措置法案の「早期成立に全力を尽くす」と約束しました。ブッシュ大統領は、給油活動の再開に向けた福田首相の「卓越した指導力を称賛する」とし、同法案の成立に期待を表明しました。

 北朝鮮の核問題については、両首脳が「六カ国協議を通じて、核兵器、核計画の完全放棄に向け、日米が緊密に連携、努力していく」ことで一致しました。

 北朝鮮の「テロ支援国家」指定解除については、これまで日本政府が慎重な対応を米国に求めてきましたが、会談の具体的な内容は明らかにされませんでした。ブッシュ大統領は会談後の声明でもこの点に触れず、拉致問題について「われわれは忘れない」「日本にとって重要問題だと理解している」と述べるにとどめました。

 米国産牛肉の輸入再開問題では、ブッシュ大統領が「日本市場が完全開放されることを望む」と要請。福田首相は「科学的な知見に基づいて対応していく」と答えました。


日米首脳会談について

日本共産党委員長 志位 和夫

 日本共産党の志位和夫委員長は十七日、日米首脳会談について次の談話を発表しました。

 一、福田首相とブッシュ米大統領は十七日の日米首脳会談で、「日米同盟が平和と安全のために死活的に重要だ」として、グローバルな問題で両国が「不可欠な役割を果たす」ことを合意した。とくに、福田首相は、国民の反対によって中止に追い込まれた海上自衛隊の補給活動再開に向け、新テロ特措法案の「早期成立に全力を尽くす」ことを約束した。

 しかし、この法案は、日本共産党の国会での追及によって、(1)“報復戦争支援法”だという本質(2)“テロ根絶逆行法”という問題(3)この活動を担う組織、部隊が疑惑まみれだという重大な問題点―が浮き彫りになっている。

 にもかかわらず、福田首相が、アメリカの強い要求にしたがって、「法案の早期成立」を約束したことは、根深い対米追従姿勢を示したものとして厳しく批判しなければならない。日本共産党は、国民運動としっかり連携して廃案に追い込むために全力をあげる。

 一、福田首相は、「日米同盟の抑止力強化」として、米軍再編の日米合意の着実な実施を約束したが、米軍再編は、米国の先制攻撃戦略にそって、日米軍事同盟を侵略的に大変質させ、地球規模に拡大・強化し、在日米軍の基地強化と海外派兵をおしすすめようとするものである。

 再編にかかわる自治体と住民をはじめ、多くの国民の基地強化反対の声をふみにじって強行することは断じて許されない。わが党は、三兆円にのぼる無法な米軍再編への国民の税金の支出をやめさせるとともに、在日米軍への「思いやり予算」、米軍駐留経費負担にたいする特別協定の改定に反対するたたかいとあわせて、米軍再編をやめさせるためにがんばりぬく。


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