2007年11月16日(金)「しんぶん赤旗」

公立病院

一律効率化しない

総務省、山下議員に説明


 総務省は十五日、同省の公立病院改革懇談会が作成している、公立病院に「効率化」を求めるガイドライン案について、「ガイドラインは参考であり、一律に適用するものではない」として、地域と公立病院が置かれた実情をよくふまえて実施する姿勢を示しました。

 このガイドライン案は、病床利用率が三年連続して70%未満の病院に病床数の削減や診療所への転換を求めるなど、数値目標を盛り込んで公立病院に「効率化」目標の達成を求めるものです。

 日本共産党の山下芳生参院議員の求めに同省担当者が答えました。同懇談会は、このガイドラインを十二月末までに決定し、発表する予定です。

 総務省によると、赤字経営の公立病院は、二〇〇〇六年度で九百七十三病院中七百二十一病院。〇六年度までの三年連続で病床利用率70%未満の病院は百四十六病院にのぼります。

 山下議員は、増田寛也総務相が十月二十三日の参院総務委員会で「(公立病院の再編・効率化は)地域の実情をふまえておこなう」と同議員に答弁したことを指摘。「地方の公立病院では、医師不足を背景に病床利用率や収入の減少が生じている」として、安易な経営の“効率化”ではなく、医師確保や地域の実情をよく考慮する必要性を強調しました。

 総務省の担当者は「大臣答弁も承知しており、一律の目標設定は考えていない」「ガイドライン案にも、その旨を盛り込ませていただいた」と述べ、公立病院の特性をよく考慮して、運用していくと説明しました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp