2007年11月16日(金)「しんぶん赤旗」

主張

守屋前次官喚問

政治家が疑惑に答えるべきだ


 「久間先生と額賀先生でなかったかと思う」―守屋武昌前防衛事務次官に対する参院の証人喚問で、軍需専門商社「山田洋行」の元専務・宮崎元伸氏との会食に同席した二人の政治家の名前が飛び出しました。「久間先生」とは久間章生元防衛相、「額賀先生」とは額賀福志郎元防衛庁長官(現財務相)です。

 宮崎元専務による守屋前次官の過剰接待問題は、その見返りとなった便宜供与をめぐり、贈収賄事件の様相を濃くしています。守屋氏は肝心なことになると「記憶がない」を連発します。守屋氏はもちろん、明らかになった二人の政治家もすすんで疑惑に答えるべきです。

責任逃れ許されぬ

 守屋氏の証人喚問は二回目ですが、この日も守屋氏は言を左右にしたあげく、ようやく宮崎元専務との会食に同席した二人の名前を明らかにしました。久間氏、額賀氏とも防衛庁長官や防衛相を経験しており、「防衛利権」とのかかわりは重大です。

 両氏とも、前回の守屋氏の喚問後、同席を否定する発言をしています。しかし、守屋氏の証言は、記憶にもとづくとはいえ、会食の状況まで具体的に明らかにしており、否定できることではありません。あくまで否定するなら、対決尋問も含め、国民の前で事実を明らかにする必要があります。現・元の閣僚として、責任逃れは絶対に許されません。

 とりわけ、日本共産党の井上哲士議員の尋問では、久間氏との会食に誘ったのは、日米平和・文化交流協会専務理事の秋山直紀氏であることも明らかにされました。日米の政界と軍需産業の「フィクサー」といわれる人物です。「防衛」族の大物議員、軍需商社の専務、防衛省の官僚トップ、フィクサーの四人が密室の料亭で会合するというのは、あまりにもうさんくさく、疑惑を呼ぶ行動です。守屋氏は何が話されたかまでは明らかにしませんでしたが、事実は徹底的に究明する必要があります。

 日本共産党の志位和夫委員長が、証人喚問終了後、ただちに二人の政治家と秋山氏らの証人喚問を提起したように、なによりもまず国会での徹底した究明が不可欠です。

 守屋前次官をめぐる過剰接待問題は、その見返りに、国の「防衛」政策がゆがめられ、国民の血税が浪費された疑惑がいよいよ明白になっています。文字通り政軍財が癒着した「防衛利権」のゆがんだ構造です。

 この日の委員会で参考人として出席した「山田洋行」の米津佳彦社長は、会社が支出した守屋氏へのゴルフ接待が八年間で三百回、千五百万円以上になることを明らかにしました。まさに底なしの癒着です。

 その見返りとして疑惑が持たれているのは、自衛隊次期輸送機(CX)のエンジン納入、装備品納入での「水増し」請求、さらには米軍再編をめぐる過大な支出などです。巨利を求め裏金を使ってまで受注をねらう軍需産業、私腹を肥やす防衛官僚、この利権に群がる「防衛」族議員という癒着が、いよいよ姿を現しつつあります。徹底した検証が不可欠です。

新法審議進める資格ない

 政府と与党は「防衛省の信頼確立、綱紀粛正と補給を続けるかどうかの議論は分けて行うべき」(石破茂防衛相)と、あくまで今国会でのテロ新法成立に固執しています。

 しかし、防衛省中枢の癒着をそのままにして、テロ新法の審議を進めることなど許されることではありません。防衛省は自らすすんで疑惑を明らかにすべきであり、国会もまず疑惑解明の責任を果たすべきです。


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