2007年11月8日(木)「しんぶん赤旗」

検定意見の撤回必要

訂正申請は記述の早期回復のため

執筆者懇が声明

沖縄戦「集団自決」


 高校日本史の沖縄戦「集団自決」をめぐる問題で、解決に向け協議を重ねてきた社会科教科書執筆者懇談会は七日、記者会見し、訂正申請提出にあたっての声明を発表しました。問題の根本的解決のためには検定意見の撤回が必要だとの姿勢を改めて示しました。

 声明は、文部科学省が検定意見を撤回せず、訂正申請に対しての基準も明らかにしていないもとでは、「訂正申請によって問題が正しく解決されるとは到底考えられない」と指摘。「問題の根本的解決のために検定意見の撤回をあくまでも求める立場に変わりはない」とのべています。

 一方で、記述が回復・改善された教科書を来年四月に高校生に手渡したいという思いがあるとし、教科書の供給に間に合わせるため、「一つの方法として、この時点での訂正申請の提出に踏み切った」と模索した思いを語っています。

 今後の取り組みとして、教科書調査官や検定審議会委員の人選の透明化と公正化、審議の公開など検定制度の改善に向け、他教科の関係者らとともに検討し、具体化して文科省に働きかけていきたいとしています。

 同会呼びかけ人で歴史教育者協議会委員長の石山久男さんは、今後検定意見の問題があいまいにされることがないよう注視し、「(声明の内容を)国民に広く呼びかけたい」とのべました。

 併せて、「沖縄戦の事実を歪(ゆが)める教科書検定の撤回を求める歴史研究者・教育者のアピール」に六百四十六人が最終的に賛同したことを報告しました。呼びかけ人は二十七人。



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