2007年11月6日(火)「しんぶん赤旗」

主張

党首の辞任

民意貫く当たり前の政治こそ


 民主党の小沢一郎代表が、自民党の福田康夫総裁(首相)との党首会談で協議した自・民の「大連立」が党内から拒否されたことを理由に、代表辞任を表明しました。慰留が続いているものの辞任の決意は固いともいわれ、衝撃が広がっています。

 この夏には、参院選挙での敗北にもかかわらず居座り続けようとした安倍晋三前首相が、ついには政権を投げ出さざるをえなくなったばかりです。自・民の党首が相次いで辞任するという事態は、国民の意思に逆らう政治は、どんなにあがいても、結局は続けられなくなることを示しています。

審判裏切る「大連立」

 政治の主人公は国民であり、政治の行方を根本的に決めるのは、国民の意思です。参院選後の相次ぐ党首の辞意表明は、こんな当たり前の原則を改めて思い起こさせます。

 七月におこなわれた参院選挙の結果は、自民・公明の与党が大幅に議席を減らし、「自公政治ノー」の国民の意思を示しました。安倍前首相が、その審判を突きつけられてもなお政権に居座ろうとしたのは、民意に反したものです。結局は、国会で所信表明演説したあと、代表質問の目前という最悪のタイミングでの辞意表明です。民意に照らせば当然というほかありません。

 「反自公」をかかげて参院選挙をたたかった小沢氏が、福田首相と「密室」で自・民の「大連立」を協議し、小沢氏がいったんは持ち帰って検討すると約束したのは、それ自体、民意に反します。

 自・民の「大連立」は、参院選挙で国民が「ノー」の審判を下した自民党の政治を、延命させるものです。民主党は、自公の政治を批判し、「政権交代」を掲げて議席を伸ばしました。そのほとぼりも冷めないうちに、自民と連立して政権に参加するなどといいだすのは、まさに国民の意思を裏切るものです。

 小沢氏は辞意を表明した記者会見で、自民党との連立に参加することで、参院選での公約を実現し、政権運営への実績を示すといいましたが、自公政治ノーという国民への公約を裏切って、政権に参加すれば多少の要求が実現できるなどというのは、民主党に一票を投じた国民を愚弄(ぐろう)するものでしかありません。小沢氏の「密室談合」を容認し、辞意表明に対しても慰留を続けている民主党も、その責任が問われます。

 自民党にも民主党にも求められるのは、参院選挙で国民が下した審判を謙虚にうけとめることです。いま開かれている国会は、参院選挙後最初の、本格的な国会です。直面する国政の重要問題について国民の前で堂々と論議をおこない、そのうえで衆院の解散・総選挙で国民の信を問うべきです。主権者である国民の意思を尊重するという当たり前の原則が守れない党では、政権を担当する資格がないことになります。

政治変える国民の声を

 いま、参院選挙の結果がもたらした新しい政治状況の下で、国民の世論と運動が政治を動かし、願いを実現していく新しい条件が広がっています。国民の意思を裏切る「大連立」などの数集めで、これまでどおりの政治を続けようとするのは、国民の審判をないがしろにし、政治を変える機会を失わすものです。

 国民の世論と運動をいっそう強め、新しい政治を切り開こうではありませんか。日本共産党は、福田政権に正面から対決し、切実な願い実現を迫るとともに、自民党政治を大本から変えるために力をつくします。


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