2007年10月26日(金)「しんぶん赤旗」

給油80万ガロン

内局複数課に通知

旧防衛庁 答弁前の点検怠る?


 海上自衛隊が米補給艦への給油量の誤りを把握しながら隠ぺいしていた問題で、正しい数値が記された書類が防衛庁(当時)内部部局の複数の課にもあったことが二十五日、分かりました。誤った数値に基づく政府の答弁書案は、内局で回覧されており、これらの課がチェックを怠っていた疑いが浮上しました。

 防衛省によると、海自補給艦「ときわ」は二○○三年二月二十五日、米補給艦「ペコス」に八十万ガロンを給油。派兵部隊は給油内容を電報などで海上幕僚監部運用課に報告しましたが、担当者は別の米艦船への給油量と取り違えて、パソコンの集計表に「二十万ガロン」と入力しました。

 この集計表に基づき、同年五月八日に統合幕僚会議議長が会見しましたが、内局防衛政策課はこの日、会見内容に沿って、政府の応答要領を作成。翌日に福田康夫官房長官(当時)が誤った発表をすることになり、石破茂防衛庁長官(同)も同月十五日に誤った国会答弁をしました。

 同省幹部によると、給油の後、内局の少なくとも二つの課には、海幕から正しい数値が電子メールで送られ、これをプリントアウトした書類が保管されていました。予算編成などを目的にした情報で、補給量のほか、日時、相手の艦船名などが記されています。

 答弁書案は官房長官会見前に内局で回覧されており、これらの課が書類と照合していれば、誤った発表は防げたことになります。

 同省は二十二日、「同年五月九日に海幕防衛課長らが誤りに気付いたが、上司や内部部局に報告しなかったため、官房長官が誤った発表をした」とする報告書を公表しています。



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