2007年10月22日(月)「しんぶん赤旗」
０３年から隠ぺい
給油量の「誤り」で海自
テロ特措法に基づくインド洋での二○○三年二月の海上自衛隊補給艦から米補給艦への給油量を防衛省が今年九月になって訂正した問題で、海上幕僚監部内で○三年中に誤りに気付いたにもかかわらず、当時の石破茂防衛庁長官らに報告せずに隠ぺいしていたことが二十一日、分かりました。防衛省首脳が同日、明らかにしました。同省は関係者を厳しく処分する方針です。
当時の福田康夫官房長官と石破長官は○三年五月、海自補給艦「ときわ」から米補給艦「ペコス」への給油量を国会答弁などで「二十万ガロン」と説明しました。その後、防衛省は今年九月、市民団体の指摘を受け、給油量を「八十万ガロン」に訂正しました。誤発表の理由は「データ入力ミス」とされ、福田首相は三日の衆院本会議で「事務的な誤りで、誠に遺憾だ」と陳謝しました。
しかし、防衛省首脳や海自幹部によると、○三年五月の説明後から同年十二月までの間に、海幕の担当者が実際の給油量は四倍の八十万ガロンだったことに気付きました。ただ、「重要な問題ではない」と判断し、石破長官や海上幕僚長に報告しませんでした。
ペコスは海自から補給を受けた直後、イラク作戦に参加した米空母キティホークに給油したため、燃料がイラク作戦に転用されたとの疑惑が浮上しています。
意図的で重大 志位委員長コメント
この問題について、日本共産党の志位和夫委員長は長崎市での記者会見で、「許しがたい。意図的隠ぺいという非常に重大な問題だ」と指摘しました。
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