2007年10月18日(木)「しんぶん赤旗」

18日から首脳会議

EU、新条約承認焦点に

欧州憲法案の骨格を維持


 【ベルリン=中村美弥子】欧州連合(EU)の非公式首脳会議が十八日から二日間の日程でポルトガル・リスボンで開かれます。EUの機構改革を盛り込む新基本条約案が加盟二十七カ国の全会一致で承認されるかどうかが焦点です。十五日のEU外相理事会に出席した外相らは、条約案の承認に前向きな姿勢を示しました。


 新基本条約は、二〇〇五年にフランスとオランダの国民投票で批准が否決され、批准作業が凍結されていた欧州憲法に代わるもの。欧州憲法案の骨格を維持し、大統領職の創設や理事会決定方式の効率化を定めています。今年六月の首脳会議で策定が合意されました。年内に条約案を確定し、その後、加盟国での批准を経て、〇九年半ばまでの発効を目指しています。

 オランダ政府は九月、条約案について国民投票ではなく、議会の承認で批准する方針を決定。条約発効の可能性を高めました。国民投票にかけられるのは、いまのところアイルランドのみとなっています。

 EU加盟国の法律専門家会合は今月二日、新条約の草案に合意し、法的基礎を整えました。議長国ポルトガルは、首脳会議での合意を「楽観視している」としています。

 しかし、全加盟国から同意を取り付けるまでには、まだ課題が残されています。十五日のEU外相理事会では、ポーランド、イタリアなどの国が草案の一部に難色を示しました。

 イタリアは、欧州議会の国別議席数について、人口増を理由にスペインに配分される数が増加することに不満を表明しています。

 議長国を悩ましているのが、ポーランドの要求への対応です。新条約案のもとで自国の持ち票数が減ることになるポーランドは、新たな理事会表決方式に反発し、六月首脳会議ではその導入を一七年まで先延ばしすることで妥協しました。

 そのうえで今回、同国は、多数決に基づく理事会の決定について少数派による「再審議請求権」を条約案に盛り込み、拘束力を持たすことを求めています。他の加盟国はこれを拒否する姿勢ですが、新条約の採択は全会一致が原則であり、この問題でどのような合意に達するか注目されます。

 ポーランドのカチンスキ大統領は十二日、条約案に「二、三の疑問はある」としながらも、「首脳会議が前向きな結果となることを確信している」と発言し、首脳会議で何らかの妥協が成立することを示唆しました。


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