2007年9月28日(金)「しんぶん赤旗」
自然破壊する国に責任
圏央道・行政訴訟が結審
東京高裁
「高尾山の貴重な自然を壊すな」として、東京都八王子市の住民や自然保護団体が圏央道(首都圏中央連絡自動車道)建設に伴う同市裏高尾地区などの事業認定と収用裁決を取り消すよう、国と都収用委員会に求めた「高尾山天狗(てんぐ)裁判」行政訴訟の控訴審が二十七日、東京高裁で結審しました。来年春には判決の見通しです。
最終弁論で吉山寛原告団長は、「国は『トンネルを掘っても影響は少ない』というが、圏央道工事で水脈を傷つけるとした私たちの指摘通り、国史跡の滝が枯れた。自然や文化財の保護をうたう法律に違反した国の責任は重大だ」と批判。
鈴木堯博弁護団長は、二〇〇五年の一審判決が圏央道の「公共性」を認めたが、「国側の主張は何ら根拠のない期待にすぎない。都内区間二十キロで約三千九百億円の費用をかけた圏央道は、無駄で有害な公共事業の典型だ」とのべ、環境を守る高裁判決を求めました。
国、都、ディーゼル自動車メーカーと和解した東京大気汚染公害訴訟の鶴見祐策弁護団長が「高尾山を破壊する圏央道建設は、時代のすう勢に逆行し、公害患者が必死につくった解決への道筋に反する」と訴え。原告側は、大気汚染や騒音、地下水脈の破壊など圏央道建設の影響を具体的に指摘しました。
一審判決は、騒音や大気汚染などの被害を「住民にとって相当な不利益」とし、工事で絶滅危ぐ種のオオタカが営巣を放棄した事実を認めながら、圏央道による「公共の利益は極めて大きい」として、住民の請求を棄却していました。

