2007年9月27日(木)「しんぶん赤旗」

順位公表・格差予算中止へ

東京・足立 学力テストで調査委報告


 不正問題などを受け学力テストのあり方について検討していた東京都足立区教育委員会の学力調査委員会(委員長・高木直樹区教委事務局次長)は二十六日、同区がこれまで実施してきた小中学校の学力テスト結果の学校ごとの順位公表や、成績で学校間の予算に差をつける方針をとりやめることを盛り込んだ報告書をまとめました。

 報告書は二十八日に斎藤幸枝教育長に提出し、十月一日の区教育委員会で新方針を決定します。

 同区の学力テストをめぐって、保護者の了承をえずに三人の児童の答案を採点の対象から外したり、誤答を指さすなどの不正が明らかになっています。また、区独自の学力テストの結果を学校ごとに順位をつけて公表、今年度から成績のよかった学校に予算を多く配分する方針を強行し、保護者や教育関係者から強い批判があがっていました。

 学力調査委員会では、不正の発覚をうけ、外部委員を入れて学力テストの見直しを検討してきました。報告書は、学力テストの成績上位の学校に、予算を多く配分する方針について「やめるべきだ」との意見をつけました。結果の公表については、順位づけをせず、学校ごとに正答率の分布をグラフで示す方法に改めることなどを盛り込んでいます。

 一方、学力テストの対象にしない児童・生徒の詳細について明文化し、対象としない場合は、必ず保護者の承諾を得ることが必要との条件をつけました。


一歩前進です

 「足立の教育を考えるネットワーク」の高須有子代表の話 学力テストの結果で学校の予算に差をつけることをやめるのは一歩前進です。しかし、どんな方法であれ、学力テストの結果を公表することは、学校選択制と一体となって、学校の序列化と、弱肉強食の競争をあおることにつながります。結果の公表そのものをやめるべきです。望んでいるのは、どの地域やどの学校でも、平等に基礎的な学力が身につけられる教育です。



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