2007年9月17日(月)「しんぶん赤旗」

行政監視 連携し継続

オンブズマン大会閉幕


 政務調査費の透明性をメーンテーマに、山形市内で開かれていた第十四回全国市民オンブズマン大会が十六日、二日間の日程を終え閉幕しました。大会は「連携して行政・議会の監視活動を続ける」とする大会宣言を採択。行政の不正監視活動や住民訴訟など、全国の多彩な取り組みを交流しました。

 「9・11の激震!」――。

 「明るい警察を実現する全国ネットワーク」の清水勉事務局長は、愛媛県警による捜査費不正流用問題(裏金問題)を告発した現職の警察官、仙波敏郎巡査部長が起こした裁判での全面勝利を、こう表現しました。

 仙波氏は、約三十年間、県警内の「裏金」づくりを拒否。報復人事による配置換えにあい、告発のための記者会見は執ように妨害をうけました。

 今月十一日の地裁判決は、裏金づくりや、不当配転、告発の妨害などに、県警本部長をはじめとする幹部職員の関与を認定。警察の組織ぐるみの裏金づくりや隠ぺい体質が浮き彫りとなりました。

 清水氏は、「県警本部長は県警トップであるが警察庁では中間管理職。裏金づくりが、警察庁による組織的な犯罪だという構図がみえる」と指摘。ひきつづき高裁での勝利にむけ、全国に支援を呼びかけました。

 広田次男弁護士(全国市民オンブズマン連絡会議公共事業担当)は、群馬、茨城、千葉、栃木、埼玉、東京の六都県の地裁で同時に取り組まれている「八ツ場(やんば)ダム」建設にかかわる利水・治水負担金の支出差し止めを求める住民訴訟について報告。同ダムは、計画当初からすでに六十年近くが経過し、利水、治水の両面でみても見直しが必要となっています。

 広田氏は「不合理な巨大公共事業の本質を暴きながら、大きな運動にし、国の政策に正面から対決したい」と訴え、会場は拍手につつまれました。

 仙台市の地下鉄東西線建設差し止め訴訟の控訴審について、仙台市民オンブズマンの代表が発言。争点となった市の需要予測(一日当たりの利用者十一万九千人)について、「市の試算データはでたらめで、需要予測は過大なものだということが審議ではっきりした」と指摘しました。

 仙台地下鉄東西線は、総工費二千七百億円という大型事業。工事に伴い、仙台市民に愛されている青葉通りのケヤキ並木伐採も計画されています。裁判は七月に結審。判決は十月三十日に言い渡されます。


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