2007年9月12日(水)「しんぶん赤旗」

CS放送「各党はいま」

小池政策委員長が語る

戦争がテロを再生産


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(写真)質問に答える小池晃政策委員長=11日、国会

 日本共産党の小池晃政策委員長は十一日放映のCS放送・朝日ニュースターの番組「各党はいま」に出演し、安倍晋三首相の所信表明演説に対する感想や焦点のテロ特措法などについて朝日新聞の根本清樹編集委員のインタビューに答えました。

 小池氏は、所信表明演説の感想について、「あきれた感じがするんですね」と切り出しました。

 首相が、演説の中で、政治に対する国民の「怒り」や「不信を招いた」とし、「退陣すべきとのご意見もある」と語ったことにたいし、「そこまでいいながら、なぜ国民が不信や怒りをもったのか、その原因については、なにも語っていない」と指摘しました。

誠実さ欠く首相

 その上で、「国民の生活をなおざりにして、『戦後レジームからの脱却』だといって改憲(方針を掲げる)、教育基本法の改悪をする。こういうやり方が(参院選で)『ノー』といわれたのに、それは『やるんだ』と。これほど誠実さ、真摯(しんし)さに欠ける演説はない」と述べました。

 「政治とカネ」の問題では、遠藤武彦前農水相の任命責任にすらふれず、わずか三十秒ですませたと述べ、温かい政治というようなことも口ではいいながら、消費税の増税にも言及していると指摘。「まったく反省のない演説だった」と語りました。

 安倍首相がシドニーで、米軍などへの自衛隊の補給活動継続のために「職を賭してとりくんでいく」と発言したことについては、「民意は無視するが、アメリカと勝手に約束してきて、それが果たせなければ辞めるんだと。いったいどこの国の首相なのか」と批判しました。

 日本共産党は、臨時国会でテロ特措法の問題にどう対応するのか―。小池氏は延長に断固反対する立場を表明するとともに、「やはり原点に立ち返る必要がある」と強調。「テロをなくす」という肝心の点で、アメリカの報復戦争は逆にテロを再生産しているだけだと力説しました。

 さらに、小池氏自身が、戦争の開始直後(二〇〇一年十一月)にパキスタンのアフガンとの国境近くまで現地調査に行き、深刻な干ばつの実態を見てきた経験を紹介し、「現地の人はとにかく水がない、これはもうアフガニスタンもいっしょなんだ、そういうときにミサイルを撃ち込むなんて本当に愚かなんだという話を聞きました」と述べました。

住民への支援を

 小池氏は、アフガニスタンで現地支援活動を続けている「ぺシャワール会」の中村哲医師が用水路をつくったり、井戸を掘る活動をしていることを紹介しながら、「そういったことを支援することこそ求められているのに、見境のない空爆で現地の住民が命を落としている。これを続けていくことがテロをなくすことになるのか。アフガニスタンも非常に危険な状態になり、世界中にテロが拡散しているわけですから、このようなやり方を引き続き続けることは許されない」と厳しく指摘しました。

 憲法との関係でも「実際に戦争が行われている地域での自衛隊の活動という点でも、明らかに憲法違反だ」と指摘。さらに、自衛隊の給油した燃料が、イラク戦争に使われていることやソマリア攻撃に使われている疑いにもふれ、「二重三重に許されない。自衛隊は撤退して、住民の生活や教育を支援するということに徹底的に力を向けることこそ、本当の国際貢献だ」と述べました。

 民主党など野党との共闘については、「テロ特措法の延長反対では、一致している」と述べ、国政調査権なども活用した徹底審議で廃案に追い込む決意を語りました。


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