2007年8月15日(水)「しんぶん赤旗」

埼玉県知事選 26日投票

県民の願い実現 吉川さん

国いいなりの県政 上田知事

違いくっきり


 参院選後初の大型選挙になる埼玉知事選(二十六日投票)。「オール与党」県政を継続する上田清司知事と対決して、くらしと憲法を守る県政をめざす吉川春子さんへの期待が広がっています。


女性の視点に共感

 マスコミ各紙が「県政 継続か刷新か」(「読売」十日付)と報じた両候補の第一声は同じJR浦和駅西口で時間差で行われました。たまたま両方聞いたという消費者団体の役員が、上田知事では不安、吉川さんでと支持を広げています。

 第一声の翌々日には、本庄市の日本共産党の柿沼綾子市議の自宅に、募金を届けにきた女性がいました。告示日に上田知事の個人演説会で話を聞き、上田知事が勝ったら大変だと思ったからといいます。

 十二日に東武東上線ふじみ野駅前で吉川さんの街頭演説に耳を傾けていた女性は、告示前の公開討論会を聞きにいきました。「行革を強調する上田知事に対して女性の視点で暮らしを応援する吉川さんの政策はすばらしいと思いました。『憲法を県政に生かす』という公約、ぜひすすめてほしい」と話しました。

 上田知事の第一声は、「埼玉を日本一にする」「日本一 ゆとりとチャンス」と宣伝しつつ、日本一の「行革」推進が狙いです。「職員数が日本最小」と職員減らしを宣言し、県民の「安全・安心」を支える政策の柱は治安強化で、「警察官増員全国一」を実績にかかげました。

 これに対し、「人と自然にやさしい県政」「憲法を県政に生かす」と訴えているのが吉川さんです。県民の願いにこたえた県政を実行しようとする吉川さんと、暮らしが大変な県民の感情から離れた「日本一」の宣伝を繰り返す上田知事との違いがくっきり表れた選挙となっています。

上田知事 医師不足だんまり

吉川さん 「増員で解消」公約

 「埼玉を日本一にする」といいながら、上田氏は、医師不足ワーストワンには、演説でもマニフェストでもふれていません。

 埼玉の県民十万人あたり医師・看護師数は日本一少なく、医師数は全国平均二百一人に対し埼玉は百二十九人。看護師数は全国八百九十七人に対し五百八十八人(いずれも二〇〇四年)と最下位です。お産や小児救急医療に影響し、県民の切実な問題となっています。

 県議会での答弁で上田氏は「医師の総数は全国上位の八位、面積割では全国六位。東京都内の医療機関にかかりやすい」と問題をそらし、お産や小児救急医療などに支障をきたしている深刻な医療現場の実態に目を向けようとしません。

 これに対し、吉川さんは「いま埼玉は平均年齢が全国十七位だが、十年、二十年後は高齢県になる。医師・看護師不足の対策を進めておかないと大変なことになる」と主張。「5つのこだわり政策」の第一に具体的な医師・看護師不足解消策を盛り込んでいます。

上田知事 負担増と格差推進

吉川さん くらし福祉を守る

 自民、公明、民主の「オール与党」県議会に支えられ、「国のやらないことはしない」姿勢を貫いてきたのが上田県政でした。参院選でも大きな争点となった住民税増税やそれに伴う国保、介護保険負担増の問題を取り上げた日本共産党県議団の質問に対し、上田知事は「すべての格差を否定することはできない」と格差を容認。「持続可能で安定した社会保障制度を確立するためには、所得に応じて負担を分かち合うこともやむを得ない」(二月議会)と政府そっくりの答弁で負担増を合理化し、県独自の軽減措置を拒否したのです。

 これに対し、自治体本来の仕事をする県政をめざすのが吉川さんです。国の制度の不十分さを補い、悪政の防波堤となるのが県政の役割と訴え、公約の「6つの基本政策」の一番目に負担増と格差の拡大から県民のくらしと福祉を守る具体策を掲げています。

上田知事 侵略美化の靖国派

吉川さん 慰安婦問題を追及

 平和の問題では、侵略戦争への反省もなく、憲法改悪の動きを率先して県政に持ち込んできたのが上田氏でした。

 上田知事は国会議員時代、侵略戦争を正当化する「歴史教科書問題を考える超党派の会」の副会長・幹事長を務め、安倍晋三現首相と行動をともにしました。知事になって日本の侵略戦争や植民地を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」編集の教科書の採択を狙い、同会の副会長だった高橋史朗氏を教育委員につけました。

 月刊誌『Voice』(二〇〇三年十二月号)の特集「安倍晋三総理待望論」に寄稿し、当時自民党幹事長だった安倍氏に「党は違っても『保守派』として同じベクトルでものを考え、行動する同志として、お互いに親近感を抱いてきた間柄だ」と期待を表明しました。

 県の平和資料館の展示資料に関し「東西古今慰安婦はいても従軍慰安婦はいない」(〇六年六月議会)と発言するなど、歴史認識でも安倍首相とうり二つのタカ派です。

 こうした憲法改悪の自民政治の継続を狙う上田氏ときっぱり対決しているのが吉川さんです。国会で十五年「従軍慰安婦」問題に取り組んできた吉川さんは、街頭演説で「侵略戦争を反省しない知事は県民の代表としてふさわしくない」と批判し、憲法を守りくらしに生かす県政へ転換しようと呼びかけています。

吉川さん応援

19日に志位委員長 22日市田書記局長

 埼玉県知事選の応援のため、日本共産党の志位和夫委員長が十九日、市田忠義書記局長が二十二日に埼玉入りし、街頭から訴えます。


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