2007年7月31日(火)「しんぶん赤旗」

赤城農水相の「政治とカネ」

前代未聞の疑惑噴出

政治活動費の二重計上も


 赤城徳彦農水相(衆院茨城1区)の「政治とカネ」をめぐる疑惑は、次から次へと噴出、ついに「経費二重計上」という新疑惑まで飛び出しました。四つの政治団体、それぞれの事務所経費疑惑に続く五番目です。赤城農水相は、それまでの疑惑では「法に従って適切に処理している」と開き直り、新疑惑では「単純な事務処理上のミス」と言い逃れていますが、合理的説明もなく、領収書などの公開もないまま。疑惑は深まる一方です。


 新たに発覚した疑惑は、政治活動費の報告で、まったく同じ領収書のコピーを「赤城徳彦後援会」と、赤城氏が支部長の「自民党茨城県第一選挙区支部」が二重使用していたという問題です。

 第一選挙区支部の収支報告書によると、二〇〇三年九月十一日、「案内状発送費」という名目で、二回、計約二十万円の支出が記載されています。一方、後援会の収支報告書にも、「機関紙誌の発行事業費」のうち、「荷造発送費」として、同日、同金額の支出を記載しています。

同じ領収書が

 ところが、両団体が報告書に添付した市内の郵便局の領収書のコピーはまったく同じもので、政治活動費を二重計上していたことになります。これは、収支報告書の虚偽記載に相当、政治資金規正法では、五年以下の禁固、百万円以下の罰金が科せられます。

 赤城農水相の疑惑の中心は事務所費経費をめぐるものばかりです。

 最初に明らかになったのは茨城県筑西市にある両親の住む実家を「赤城徳彦後援会」の「主たる事務所」としていた問題でした。色あせた赤城氏のポスターが張ってあったものの後援会の看板もなく、実家に住む母親が当初、「秘書などはおらず、私たち(夫婦)が住んでいるだけ」とのべたように、実体のない「事務所」でした。

 ところが、一九九六年から〇五年までの十年間で、事務所維持の経常経費(事務所費、光熱水費、人件費、備品・消耗品費)として、九千四十五万円も計上していました。

中身は不透明

 その後、実家側は「『事務所』としての活動が以前ほど活発でない」という趣旨だったと“修正”しましたが、九千万円を超える経費の中身は不透明のままです。

 東京都世田谷区の妻の実家に「事務所」を置き、その実体に疑問が持たれている「徳政会」も、九六年から〇五年の十年間に、計千四百九十六万円の経常経費を計上していました。

 家賃がタダの議員会館に「事務所」を置くのは資金管理団体の「徳友会」です。しかし、九六年から〇五年の十年間に約三千三百万円の「事務所費」を計上しています。

 赤城氏が初当選する前年の八九年二月に設立された「つくば政策研究会」は、〇四年二月に解散するまで東京・西新橋のビルの一室を「事務所」として届け出ていました。ところが、九六年八月に同ビルを退去していたのに、九七年から〇三年の七年間、計千二百十五万円の事務所経費を計上していました。

 赤城氏は、「この団体のことを知らなかった」と無関係を装いましたが、「徳友会」の会計責任者、事務担当者がそれぞれ兼任するなど、赤城氏と深いかかわりのある政治団体です。

 参院選で「政治とカネ」の問題にも厳しい審判が下ったいま、赤城農水相の疑惑解明は急務で、安倍首相の任命責任も厳しく問われています。



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