2007年7月27日(金)「しんぶん赤旗」

米政府、新型核に固執

議会に関連予算承認迫る

核実験再開の脅しも


 【ワシントン=山崎伸治】米政府のエネルギー省、国防総省、国務省の三長官が二十五日、核兵器に関する連名の声明書を議会に提出し、「老朽化」した核弾頭を改良するという「信頼できる交代用核弾頭」(RRW)計画は米国にとって必要だとして、議会側の関連予算削減の動きをけん制し、予算承認を求めました。

 RRW計画予算は、五月に下院本会議で可決された国防予算でも一部しか認められておらず、現在議会で審議中の二〇〇八会計年度予算で、同計画関連予算が大幅に削減される見通しが出ています。

 声明書はこうした動きのなかで出されました。「米国家安全保障と核兵器 二十一世紀の抑止維持」と題したもので約三ページ。

 声明書は「現政権の政策は、効果的な戦略的抑止力を最も低いレベルの核兵器で達成し、わが国の国家安全保障と同盟国に対する約束と義務に矛盾しないようにすることだ」と新型核弾頭開発に固執する姿勢を示しています。

 その上で、〇二年の「核態勢見直し」で政府が示したように、戦略核兵器を「冷戦期」の六千発から一二年までに千七百―二千二百発に減らしても、その目的は達成できると主張。米国が「冷戦期」の古い核兵器をそのまま維持することには困難が伴うなどとして、RRW計画への投資の必要性を強調しています。

 さらに、新型核弾頭開発の遅れは「保有核弾頭をテストするための地下核実験への回帰を余儀なくされる見通しをもたらす」として、地下核実験再開の可能性が出てくると述べています。

 また、RRW計画は核兵器備蓄の規模を縮小し、安全性を高め、核実験再開の必要性が小さくなると「利点」を列挙。「同盟国への安全保障上の約束を維持しながら、核不拡散条約(NPT)第六条(核軍縮)にもとづく義務にも全面的に従う」ものだとしています。



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