2007年7月19日(木)「しんぶん赤旗」

中越沖地震・柏崎刈羽原発は火災対策が不備

視察で志位委員長


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(写真)南舘副所長(左)にただす志位委員長(中央)と吉井衆院議員(右)=18日、新潟・柏崎刈羽原子力発電所

 日本共産党の志位和夫委員長、吉井英勝衆院議員らの調査団は十八日午後、新潟県中越沖地震で耐震設計の際に想定した二・五倍の揺れに見舞われて火災や放射能漏れが発生した柏崎刈羽原発(東京電力)を視察しました。同原発の南舘正和副所長が応対しました。

 原発敷地内を走る道路には多数の亀裂が走っていました。建物周辺のレンガが波打って浮き上がり、地盤が数センチメートル沈んでいました。敷地内にある丘の斜面には、広範囲にわたる崩落が見られました。

 火災が発生し、黒く焼け焦げた変圧器を視察した志位氏は、「自力で消火できなかったのは深刻な問題です」と述べました。さらに、同原発が国際原子力機関(IAEA)の調査をうけて、火災対策の不備を改善するよう二年前に勧告があったことを指摘し、「火災防護専門のグループをつくったのですか」と確認しました。南舘副所長は、グループをつくっていないことを明らかにしました。

 志位氏は「消防はまず民家の消火にあたる。外部に消火を頼るのは原発としては失格です」と述べました。吉井氏は「地震のときは、消防車両も道路の陥没などでできないこともある」と述べました。IAEAに指摘された火災対策の不備の問題は、吉井氏が六月十四日の衆院総務委員会で追及し、政府に全国的な調査、改善を求めていたことです。

 志位氏が重ねて、火災防護専門のグループをつくるよう要請したのにたいし、南舘副所長は「伝えます」と答えました。

 また志位氏は、放射能を含む水漏れの公表が遅れたことを、「住民のみなさんに、原発にたいする不信となってひろがっている。謙虚に受け止めてほしい」と批判しました。

 耐震設計の想定を上回る揺れが観測されたことについて、南舘副所長は「新しい指針で見直している最中だった。評価の前に地震を経験することになってしまった。それを反映させたい」と述べました。志位氏は、「十二年前に阪神大震災で安全神話が根底から問われ、七〇〇ガル、八〇〇ガル(ガルは揺れの強さを表す加速度の単位)程度の地震が全国で起こりうることが明らかだった。『想定を超えた』は原発では許されない。政府の安全基準を見直すべきだと考えています」と述べました。


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