2007年7月12日(木)「しんぶん赤旗」

共産党議員に政府答弁書



紙議員に

情報あれば抜き打ち

食肉偽装調査

 日本共産党の紙智子参院議員の「ミートホープ社による食肉偽装問題に関する質問主意書」に対する政府答弁書が十一日までに、提出されました。

 答弁書では、内部告発を受けた農林水産省が、ミートホープ社に対して日本農林規格(JAS)法に基づく立ち入り調査を行わなかった理由として、「警察からミートホープ社に関し照会があったことから、同省の判断により、警察による調査に支障を生じないようJAS法に基づく立入検査を行わなかった」と警察の調査があったことを初めて明らかにしました。

 また、情報提供があった場合の調査については、抜き打ち調査をすべきとの紙氏の提案に対しては、情報提供に基づいて行う検査は、「必要に応じて事前通告をすることなく施設に立ち入るなど、立入調査の適正性を確保できる方法を採用することが重要であると考える」として、初めて抜き打ち調査を基本とすることを明らかにしました。

 紙氏が独立行政法人農林水産消費安全技術センターを国の機関として、調査活動を強化するよう求めた点については「食品の検査等の業務は国が自ら主体となって直接に実施する必要はない」として拒否しました。



赤嶺議員に

住民証言は聴取せず

集団自決検定

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が提出した「沖縄戦の強制集団死(『集団自決』)をめぐる文部科学省の検定意見に関する質問主意書」に対し政府は十一日までに、答弁書を提出しました。検定で教科書調査官が意見をまとめるにあたって、住民の証言は聴取していないことを明らかにしました。

 答弁書は、「集団自決」への日本軍の関与を一切削除した根拠について「すべての集団自決が軍の命令で行われたと誤解されるおそれがある」などと回答しています。

 しかし、教科書の申請本の記述は「日本軍によって…集団自決に追い込まれた住民もあった」など、日本軍によって自決に追い込まれた事例もあったことを記述しているにすぎず、答弁書の回答は、かえって、検定の不当さを浮き彫りにしています。

 答弁書は、教科書検定への文科相の権限と責任を認め、検定後に規定に基づいて記述の訂正がされた例があることを認めました。



小池議員に

効果と安全性研究へ

ヒブワクチン

 日本共産党の小池晃参院議員が提出した細菌性髄膜炎の予防のための「インフルエンザ菌b型ワクチン接種及び肺炎球菌ワクチンの早期承認に関する質問主意書」に対する政府答弁書が十一日までに決定されました。

 細菌性髄膜炎は、脳や脊髄(せきずい)を覆う髄膜の内側に細菌が入り込んで起きる感染症です。日本では毎年、約千人近い五歳未満の子どもが感染していると推定され、うち約六割がインフルエンザ菌b型(ヒブ)、約三割が肺炎球菌によるものです。

 早期診断が難しく、重い障害を残したり、死亡する場合もあります。一方で、世界百カ国以上でワクチンが導入され、それらの国ではヒブ感染症が激減しています。

 答弁書は「ヒブワクチンの有効性や安全性等に関する治験等を更に蓄積する必要があり、専門家からなる研究班を速やかに立ち上げる」ことを明らかにしました。

 小池氏は、質問主意書で、ヒブワクチンの効果や副作用などについて情報提供を積極的に行うこと、ワクチン接種の費用負担の軽減を図ることを求めましたが、答弁書は「速やかに情報提供するよう指導すること」「(負担軽減については)有効性や安全性を踏まえて判断したい」としました。


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