2007年7月11日(水)「しんぶん赤旗」
主張
07参院選
憲法9条まもる党を大きく
十二日公示される参院選の大きな争点の一つが、憲法問題です。
安倍晋三首相は戦後の首相として初めて「在任中の改憲」をかかげ、「改憲手続き法」を強行成立させました。憲法九条破壊に正面から対決する日本共産党の前進で「九条守れ」の平和の声を大きく示すときです。
「戦争する国」のねらい鮮明
自民党の参院選マニフェストはその第一項目で「新憲法制定の推進」をかかげ、三年後の国会で憲法改定案を発議し、国民投票にかけるとしています。自民党はもともと改憲政党ですが、公約の第一に改憲をかかげたことは重大です。自公連立与党の重点政策も、「新しい時代にふさわしい憲法をめざす」という項目で、三年後の国会を「視野に入れ」た議論をすすめるとしています。
公明党は、自民党からも「公明党も『改憲』を明らかにした政党」(自民党パンフ)と評価されています。「ブレーキ」をかけるどころか、かつての「平和の党」の看板をかなぐりすてて暴走を加速しています。
今度の参院選で選出された議員の任期は六年間です。安倍政権のプログラムに従えば、この選挙で選ばれた議員が改憲発議に直接携わることになります。こんどの参院選で各党の九条改憲にたいする態度が厳しく問われるのは当然です。
「米国と肩をならべて武力の行使をすることは憲法改定なしにはできない」と公言する安倍首相の登場で、自民党の改憲の目的が「戦争はしない、軍隊をもたない」と決めた九条の破壊であることがかつてなく明白になっています。イラク戦争のようなアメリカの無法な戦争に、日本が「肩をならべて」軍隊を送り、武力行使する「血の同盟」(安倍首相)への道にほかなりません。日本を「海外で戦争する国」にするものです。
改憲勢力の中心に躍り出ているのは、過去の日本の侵略戦争を肯定し、戦前の軍国主義日本を「美しい国」と賛美する「靖国」派です。侵略戦争をまったく反省せず、憲法の平和、人権、民主主義の原則を踏みにじる勢力が憲法九条を壊し、海外での戦争に乗り出すことほど、日本と世界にとって危険な道はありません。
日本共産党は、参院選にのぞむ「日本共産党宣言」で「憲法改悪に反対し、平和な日本をめざす」とのべ、「九条守れ」の一点で幅広い国民と力を合わせ、改憲のたくらみを打ち破ることを堂々と訴えています。
日本共産党はさきの国会で、改憲と地続きの手続き法に反対する論戦を重ね「共産党がいなければもっと早く通せた」と改憲派を悔しがらせました。「靖国」派の危険をいち早く追及し「慰安婦」問題での米議会謝罪要求決議にみられる「靖国」派の大破たんに水路を開きました。
戦前から命がけで反戦、平和を訴えてきた日本共産党こそ、改憲への暴走をくいとめるたしかな力です。
願いこぞって共産党へ
民主党は参院選政策本文では憲法に一言もふれず、別項で「国民の自由闊達(かったつ)な憲法論議を」と呼びかけました。安倍政権の改憲に正面から立ち向かう姿勢はありません。〇五年にまとめた改憲「提言」では海外での武力行使を認め、自公が通した改憲手続き法も事実上民主党案そのものです。民主党は、党内に「靖国」派議員を多数抱えています。
安倍「改憲」の動きが強まるにつれ、国民のなかでは、改憲を望まず、九条を評価する世論が強まっています。国民の「九条守れ」の平和の願いは、日本共産党を大きくしてこそ実現できます。