2007年7月7日(土)「しんぶん赤旗」

住民税のうえに 消費税増税か

安倍首相 「上げないとは一言も言ってない」

参院選で信を問え

志位委員長が主張


 安倍晋三首相は五日夜、日本テレビの番組で「私たちは秋に抜本的な(税制)改正を行う。消費税を上げないなんて一言も言っていない」と述べ、参院選後の秋の税制「改革」論議で、消費税率の引き上げを決める可能性を示唆しました。「住民税増税の次は消費税増税とは。参院選で(増税勢力に)審判を」と強い怒りを呼んでいます。

 安倍首相は同番組で、二〇〇九年度までに基礎年金の国庫負担割合を三分の一から二分の一に引き上げる財源を問われて、「消費税から逃げるつもりはない」と発言。「ただ今の段階で何パーセント引き上げると言ってしまえば、(歳出削減が)緩んでしまう」として、引き上げ率の明言は参院選後との態度を示しました。

 安倍首相は「小沢(一郎民主党代表)さんは、基礎年金に全部税金を入れると言っているのに、消費税は1%も上げないと言っている。私たちは、明らかに一線を画している」と述べ、消費税増税に踏み込む姿勢をみせました。

 民主党は参院選政策で「消費税率は現行のまま」にし、年金の財源に充てるとしていますが、「将来、消費税の増税は不可避だ」(鳩山由紀夫幹事長、六月二十五日の講演)という立場です。


通常国会に法案を提出

官房長官

 塩崎恭久官房長官は六日午後の記者会見で、今秋の消費税を含む税制「改革」論議に関し、「抜本的な議論をして答えを出すということは、法案も出すことになるのが常識だ」と述べ、来年の次期通常国会に関連法案を提出する方針を示しました。


参院選で信を問え

志位委員長が主張

写真

(写真)志位和夫委員長=6日

 日本共産党の志位和夫委員長は六日、安倍晋三首相が民放番組で消費税率引き上げについて、「上げないなんて一言も言っていない」とのべたことについて、都内で記者団に問われ、「税率を上げる選択肢があるということを言ったことは、きわめて重大だ。私たちは消費税増税に絶対に反対だが、政府が増税の計画をもっているなら、今度の選挙で信を問うべきだ」とのべました。

 志位氏は、安倍首相が消費税増税後の衆院選で審判を受けると発言したことにふれ、「国民の信も問わないまま、選挙をやりすごし、今秋からの議論で消費税を上げてしまい、既成事実を後で国民に追認せよというやり方は、絶対に許されない」と批判しました。

 また、安倍首相が消費税率引き上げの口実に年金財源を持ち出していることについて、「『年金財源のため』といって定率減税を廃止したが、定率減税廃止と高齢者への増税で国税分だけでも合計二・八兆円も増税をおこなったのに、基礎年金国庫負担の増加分は五千億円程度だ。『福祉のため』といいながら、増税分は大企業減税のために流用している」と指摘。住民税増税が大問題になっているときに、さらに消費税の増税問題を持ち出すことについて、「絶対に許されない。そういう計画をもっているなら、きちんと今度の選挙で国民の審判をあおぐべきだ」と重ねて強調しました。

 また、消費税について、導入の際も税率引き上げの際も、事前に国民の審判をあおいだことはないとして、「この税金は、一度も国民の審判を受けることなしに導入され、増税されてきた。そういうことを繰り返してはならない」とのべました。

 さらに志位氏は、「自民党が増税の方向にかじを切っているときに、民主党は庶民増税反対の旗が立てられない」と指摘。同党がかつて消費税増税を率先して主張するなど、増税路線を推進する側に立っていたことにふれ、「庶民への増税がこれだけ問題になっているときに、庶民増税反対の旗が立てられないことに、同党の『ふたしかさ』があらわれている」とのべました。



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