2007年7月3日(火)「しんぶん赤旗」

“安い給料 きつい仕事”

働き続けられる福祉職場に

職員ら中央行動


 「よい介護がしたい。職員を増やし、賃金労働条件の改善を」―全国福祉保育労働組合(福祉保育労、茂木初子委員長)は二日、福祉・介護職場に広がる深刻な人手不足を打開するため、東京都千代田区内で、「福祉人材確保基本指針」を改定し、国の責任で人材確保をはかることを求めて中央行動を行いました。高齢者や障害者施設、保育所などで働く職員ら約百二十人が参加しました。


 「新制度はだれにとってよかったのか」

 厚労省前で開かれた実態告発集会で、神戸市のヘルパーの女性が深刻な実態を訴えました。

 昨年四月からホームヘルプサービスの利用が制限され、限られた時間の中で洗濯、買い物などこれまでと同じ仕事をこなさなければならなくなり、お年寄りの話を聞く間がなくなってしまいました。「利用者の生活を手助けするだけでなく、コミュニケーションがとれるヘルパーでありたい。ところが、時給は八百八十円。やりがいを感じられず次々と仲間が去っていく」と訴えました。

 京都市内の地域包括支援センターの主任ケアマネジャーの男性は、「低い介護報酬のため、ケアマネジャー一人当たり三十五人の高齢者を受け持ったとしても、収入から回せる人件費は約十七万円ぐらい。これでは食べていけない」とのべ、コムスンの不正事件の背後に、国による介護支出削減があると批判しました。

 「併設する高齢者のデイサービスに職員のなり手がない。『給料が安いうえ、きつい仕事だ』と三日で辞めた人もいる。これでは介護の技術やサービスの蓄積ができず、高齢者にいいサービスができない」


増員・待遇改善訴え

 中央行動であいさつした茂木委員長は、国民の切実な介護・福祉要求にこたえるために、福祉・介護サービスで働く職員の増員と待遇改善が急務だと訴えました。

 正規職員は二十歳十七万円以上、パート職員は時給千円以上の最低賃金保障―など福祉保育労の五つの緊急提案を紹介し、共同のたたかいを広げようとのべました。

 参加者は、職種分野別に分かれて厚労省と交渉。買い物客でにぎわう有楽町マリオン前で、五つの緊急提案を示したビラを配り、人材確保施策の充実などを求める署名への協力を訴えました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp