2007年7月1日(日)「しんぶん赤旗」

主張

暴走国会

安倍自公政権に厳しい審判を


 安倍内閣と自民、公明両党が、未明まで続いた異常な徹夜国会のすえ、社保庁解体・民営化法、年金時効特例法、国家公務員法改悪など重大悪法を強行成立させました。延長国会は事実上閉幕し、参院選のたたかいがスタートしています。

 国会で、侵略戦争美化の「靖国」派が牛耳る自民党は、創価学会と「政教一体」の公明党と「最悪コンビ」を組み、数の力で暴走してきました。まともな政治の筋道を完全に踏み外す問答無用の国会運営は、国民に見放されつつある安倍政権の強い「あせり」のあらわれでもあります。

中身もやり方も

 いずれの悪法も、やり方も乱暴なら、中身もあまりにひどいものです。

 国家公務員法改悪では「中間報告」という荒わざを使いました。同法案を審議していた内閣委員会の委員長が自公でなく、他の法案のように好き勝手な強行採決ができなかったため、委員会採決そのものを省略し、いきなり本会議で採決したのです。

 この法案は、安倍晋三首相が「戦後レジーム(体制)からの脱却」の一環だといって、今国会での成立に固執したものです。その中身はといえば、国家公務員の「天下り」を規制する最低限のルールさえとりはらい、高級官僚と財界だけが喜ぶ「官民人材交流」で政官財癒着をいっそうひどくする“天下り・天上がり自由化”法です。これで「官製談合の根絶だ」とは、国民をばかにするにもほどがあります。

 社保庁、年金関連法案も、国民の不信・不安を置き去りにしたまま、社保庁解体で問題解決への国の責任を逃れようとする最悪のものです。

 「消えた年金」による被害者を一人も出さない対策をとることが、いま政治に課せられた責務です。日本共産党は建設的で具体的な提案を重ね、事態を動かしてきました。緊急課題である年金納付記録の全加入者への通知も、委員会質疑を通じて大臣に約束させたところでした。

 そういう大事な審議が続いているのに、それを断ち切る強行採決で、問題解決に逆行する悪法を押し付けるとは、あまりにひどい背信です。

 国会冒頭の補正予算にはじまり、安倍首相が「戦後レジーム脱却」の目玉とした改憲手続き法、教育への国家統制を強める教育三法などなど、今国会での強行採決は二十回近くにのぼります。まさに「独裁政治」への道を思わせる暴走としかいいようがありません。

 「消えた年金」、政治とカネ、庶民増税、九条改憲など、多くの問題でこの内閣の危険性を見抜いた国民の離反は急速です。各種メディアの世論調査でも内閣支持率は急減しています。延長国会の最終盤で安倍内閣と与党が行った、国民そっちのけの悪法強行採決の乱発で、国民の批判がいっそう高まることは間違いありません。

国民の反撃のとき

 参院選は、くらしを壊し、平和を壊し、民主主義を壊す、安倍自公政権の破壊と暴走に、国民が反撃する機会です。

 安倍政権と自公の暴走政治と対決できるのは、貧困と格差の拡大、民主主義、憲法など、どの問題でも自公にたいする明確な対決軸をもった政党です。庶民増税反対でも、憲法改悪反対でも、自公に対抗する旗を立てられない民主党では、政治をかえる力にはなりません。

 悪政に正面から立ち向かう立場と勇気と信念を持つ「たしかな野党」、日本共産党の躍進で、暴走政治に厳しい審判を下すことが重要です。


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