2007年6月27日(水)「しんぶん赤旗」

パレスチナ人の結束を

4者協議 エジプト大統領主張


 【カイロ=松本眞志】パレスチナ問題を協議する中東四カ国の首脳会議が二十五日、エジプトの保養地シャルムエルシェイクで開かれました。主宰国エジプトのムバラク大統領、ヨルダンのアブドラ国王、イスラエルのオルメルト首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長が参加しました。ハマス孤立化を主張するイスラエルに対し、エジプトは「パレスチナ人同士の対話が必要」との立場を示しました。

 会議は、十七日にイスラム武装抵抗組織ハマスを排除した非常事態内閣が発足したことを踏まえ、パレスチナ支援に関する話し合いを目的にしたものです。

 ムバラク大統領は、パレスチナ新政権への支持を表明する一方、すべてのパレスチナ人に対して抗争の停止と対話を通じた結束を訴えました。さらにヨルダンのアブドラ国王とともに、イスラエルに対して、ヨルダン川西岸地区からの撤退と過去のパレスチナとイスラエルの和平合意の実施の必要を強調しました。

 アッバス議長は、イスラエルによるユダヤ人入植地と分離壁建設の停止、ガザ地区を含むパレスチナ自治区内の検問所撤廃を要求しました。

 ハマスのハニヤ前首相は同日、ムバラク大統領の対話呼び掛けを「歓迎する」とし、「話し合いの準備はできている」と述べました。

 一方、イスラエルのオルメルト首相は「二国家が平和と安全のもとで存立する以外に解決の道はない」とパレスチナ国家の樹立を支持しましたが、占領地撤退やユダヤ人入植地・分離壁の撤去の問題には言及しませんでした。

 オルメルト首相は、代理徴収税を新政権に対してのみ引き渡すほか、イスラエルが拘束するパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ所属のパレスチナ人二百五十人を釈放するなど、新政権を支援してハマスを孤立させる内容の提起を行いました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp