2007年6月22日(金)「しんぶん赤旗」

パレスチナ内紛あおるな

カーター元米大統領 米・イスラエル批判


 【ロンドン=岡崎衆史】米国のカーター元大統領は十九日、アイルランドのダブリンで開かれた会議後の記者会見で、米国とイスラエルが、パレスチナのアッバス自治政府議長率いるファタハとこれと対立するハマスの内紛をあおっていると批判しました。

 現地からの報道によると、カーター氏は、米国とイスラエルが「ハマスとファタハの和解を妨げるすべてのこと」をしてきたと指摘。米国が、ハマスを屈服させるため、ファタハに軍事援助を行ってきたことや、ハマスのガザ地区への封じ込めを認めていることを挙げ、「パレスチナを二つのグループに分裂させる試みは、間違った方向への一歩である」と非難しました。

 その上で、国際社会がパレスチナの二大勢力を和解に導く努力を行うよう求めました。

 カーター氏は、二〇〇六年一月のパレスチナ評議会選挙でのハマスの勝利を米政府が認めなかったことについても、犯罪的だと批判しました。

 一方、キューバのグアンタナモ米軍基地での収容者虐待問題やテロ対策の名の下での米国内での人権抑圧について、同氏は「9・11(米同時テロ)後、(米政府は)テロの脅威が高まったとして、基本的人権を侵害できるとの不適切な理由付けをしてきた」「私はこれについてまったく同意できない」と述べ、テロを理由にした人権抑圧を厳しく非難しました。


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