2007年6月17日(日)「しんぶん赤旗」

米軍、100施設以上要求

岩国基地の増強計画

日本 数千億円の負担も


 在日米軍再編のうち、米海軍厚木基地(神奈川県)所属の米空母艦載機五十七機と兵員・家族約三千八百人を米海兵隊岩国基地(山口県)に移転する計画で、政府は在日米軍司令部が作成した「マスタープラン」(基地整備計画)の概要を公表しました。


 防衛施設庁が五月十七日に山口県や岩国市に配布した「岩国基地の米軍再編後の機能配置図」(図)によると、艦載機部隊および米海兵隊普天間基地(沖縄県)所属のKC130空中給油機十二機・兵員約三百五十人の移転に伴い、百以上の施設の新設・改修が狙われています。

 日本政府が国内での米軍再編費用を支払うと合意していることに乗じて、米側は膨大な施設新設を要求していることが示されています。

 新設・改修は、新たに移転する艦載機部隊、空中給油機部隊の運用施設や駐機場に加え、「コミュニティー地区」(単身兵用宿舎、学校、厚生施設)、「支援・サービス地区」(倉庫・燃料貯蔵庫)、「軍需品地区」(弾薬庫)など全般にわたります。すでに駐留している米海兵隊戦闘機部隊の関連施設まで新設・改修する計画です。

 もともと岩国基地では二〇〇九年三月までの完成を目指して滑走路の沖合移転が進められており、政府はこれに伴う基地強化に総額約二千四百億円を投じています。これに米軍再編経費が加われば、さらに数千億円単位の税金を費やすことが予想されます。

 現在、岩国基地には米軍機約五十機と兵員・家族約六千人が駐留していますが、再編計画が実施されれば、海上自衛隊機と併せて百三十機を超えることになります。米兵・家族の人口も一万人を超え、爆音や犯罪被害の増加が予想されることから、岩国市は市民とともに艦載機部隊の移転に反対しています。

 政府は米軍再編促進法に伴う「基地交付金」や、岩国市が以前から要望していた岩国基地の軍民共用化計画、さらに破たんした愛宕(あたご)山住宅開発用地を買い取って米軍住宅に転用する計画などを示して揺さぶりをかけていますが、井原勝介市長の態度は変わっていません。

図


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