2007年6月10日(日)「しんぶん赤旗」

改憲派包囲 さらに

「九条の会」が学習会開催


 「九条の会」の事務局は九日、「安倍内閣と集団的自衛権問題」をテーマにした学習会を東京都内で開きました。立ったままで聞き入る人も含め会場いっぱいの二百五十人の参加者で熱気にあふれました。

 冒頭、「九条の会」のメンバーである三木睦子さんがあいさつし、戦前・戦中、戦争に反対して活動する人たちを自宅に迎えた経験を紹介。その中に「安倍晋三首相の(父方の)祖父、安倍寛氏がいた」とのべました。特高警察の「弁士中止!」という圧力にひるまず、「日本の進むべき平和の道を説いていた姿に共感と敬意を抱いた」とし、「マスコミは安倍首相の祖父というと岸信介元首相のことばかり書くが、寛さんのことを報じてほしい」と語りました。

 講演した渡辺治一橋大学教授は、明文改憲と同時に集団的自衛権行使に向けた憲法解釈見直しが進められる事態について、「改憲に時間がかかるので、できるところから『突破』を図るとともに、改憲への足がかりとする狙い」と解明。自衛隊による大規模な情報収集活動が明るみに出たことについて、「戦争する国へ本格的に変わり始めているあらわれだ」とのべました。

 他方、世論調査で改憲支持派が減り、九条改憲反対の世論が増加したことに「護憲派の運動の力が及んでいる」と指摘。安倍首相が内閣支持率低下など、矛盾を深めながらも強硬姿勢を崩さない背景には、「今国民に正面から改憲を提起していかないと『九条の会』にやられてしまうという焦りがある」と強調しました。

 渡辺氏は、改憲の発議が可能となる三年後でなく今から改憲派を追い詰め、国民過半数の結集へさらに大きな運動の構築を目指し力をつくそうと呼びかけました。



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