2007年5月24日(木)「しんぶん赤旗」

天下り天上がり奨励

国家公務員法改悪案 吉井議員が批判


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 日本共産党の吉井英勝衆院議員は二十三日の衆院内閣委員会で、政府の国家公務員法改悪案は、「天下り」や「天上がり」を「官民交流」と呼び変えて野放しにするものだとただしました。政府案は天下りの事前規制を撤廃し、官民の人的交流を拡大する内容です。

 吉井氏は、渡辺喜美行革担当相が昨年十二月の就任直後の会見で「人事交流も徹底して進めていく場合には、むしろ天下り奨励、天上がり奨励になる」とのべていることをあげて、「官民交流の推進とは天上がり、天下りを奨励するものだ」と指摘しました。

 「官民交流」で省庁に来ている職員の82%は大企業からであり、動機は「人脈」など企業活動のメリットを期待していることを指摘。「官民の垣根を低くして、天下りや天上がりを活発にすれば、腐敗が起きたり、公務がゆがめられる」とのべました。

 渡辺氏は「各省庁のあっせんを禁止するから天下りではない」「人事交流は悪いことではない」と正当化しました。

 吉井氏は、天下りが公務をゆがめている実態を見るべきだと批判。防衛省の調達実績(〇五年度)では、二千九百九十三億八千五百万円を受注した一位の三菱重工業には六十二人が天下りするなど、天下りが多い企業が受注額も多くなっていることを示しました。

 談合事件の国土交通省でも「渡り鳥」と呼ばれる天下り先を転々と渡り歩く実態があるとのべ、天下りや「渡り鳥」を禁止すべきだと強調。「各省庁のあっせんを禁止するからなくなる」と答える渡辺氏に対し、「省庁の関与も残されており、癒着を断ち切ることはできない」とのべました。

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