2007年5月23日(水)「しんぶん赤旗」
違法盗聴関与の司法長官
米大統領が擁護
【ワシントン=山崎伸治】国家安全保障局(NSA)の違法盗聴関与や連邦地検検事正の解任問題でゴンザレス米司法長官に対する議会からの辞任要求が強まる中、ブッシュ大統領は二十一日、テキサス州クロフォードでの記者会見で同長官を擁護する姿勢を強調しました。
ブッシュ氏は「彼(ゴンザレス氏)は私の信頼を得ている。何も間違ったことはしていない」と指摘。「いまワシントンで起きていることは単なる政争にすぎない」として、民主党議員によるゴンザレス氏に対する不信任決議案の提出の動きをけん制しました。
同氏の辞任をめぐっては、上院司法委員会の共和党筆頭委員を務めるスペクター議員が二十日放映のテレビ番組で、不信任決議案が採決されることは米議会でも歴史的に非常にまれであることを指摘。「(不信任決議案が)採決される前にゴンザレス司法長官は辞任するかもしれない」との見方を表明しました。
一方、共和党のマコネル上院院内総務は別のテレビ番組で、「(辞任は)大統領が決断することだ」として、決議案提出の動きを批判。大統領が支持する限り、辞任はないと述べました。
司法省では十四日にマクナルティ副長官が辞任を表明しており、仮にゴンザレス氏が辞任すれば、正副長官がそろって交代という異常事態となります。ブッシュ政権としては、議会との関係で苦しい運営を迫られそうです。