2007年5月16日(水)「しんぶん赤旗」

多重債務相談

全国キャラバン開始

「秩父事件」決起の場から


 相談先を知らずに孤立して悩む多重債務者を掘り起こし、救済につなげようと、弁護士や被害者団体でつくる「高金利引き下げおよび多重債務対策を求める全国連絡会」が十五日、「債務相談全国キャラバン」を、埼玉県秩父市でスタートさせました。十一月まで全国四十七都道府県を回り、ビラ配りや相談会の開催などを行います。

 利息制限法の上限を超える「灰色金利」を払う必要がないことは、すでに判例で確立。昨年末には、灰色金利を全面的に違法とする改正貸金業法が成立しています(全面施行は約三年後)。しかしサラ金業者は今も灰色金利で営業を続け、多くの客が知らずに利用しています。

 同会は各地をキャラバンカーで回り、▽灰色金利は払う必要はない▽過払い金利は取り戻せる――などの点をチラシやスピーカーを通して訴えます。各地の自治体には多重債務者相談窓口の開設を要請します。

 出発式は、高利貸し被害に苦しむ農民が蜂起した「秩父事件」(一八八四年)で決起集会が開かれた「椋(むく)神社」(秩父市)で行いました。

 多重債務者は全国で約二百三十万人。その中で法律家などの相談を通じて救済されているのは「数十万人程度」(全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会)にとどまります。

 この日の記念集会では、宇都宮健児・日本弁護士連合会多重債務対策本部長代行が講演。「相談先を知らない債務者が、ヤミ金融業者や悪徳弁護士などの違法業者の食い物にされる可能性がある。みなさんと運動を広げていきたい」と話しました。


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