2007年5月16日(水)「しんぶん赤旗」

「全体の奉仕者」ゆがめる

公務員法改悪案 吉井議員批判 天下りを推進

衆院本会議


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(写真)質問する吉井英勝議員=15日、衆院本会議

 十五日の衆院本会議で日本共産党の吉井英勝衆院議員は、政府の国家公務員法改悪案の質問にたち、財界の要求にこたえて全体の奉仕者であるべき公務員制度をゆがめるものだとのべました。

 政府案は、現行の離職後二年間の天下り規制さえ廃止し、各省庁が行ってきた天下り先のあっせんを、内閣に設ける「官民人材交流センター」で一元的に行います。

 吉井氏は、規制期間を二年から五年に延長し、規制対象を公益法人や特殊法人にも拡大するなど抜本的な規制強化こそ必要だと強調。政府案について「天下りを原則禁止から原則自由に百八十度変えるものだ。野放しの天下り推進センターになる」と指摘しました。

 天下りを野放しにするのは、「官民交流」を求める財界の要求にこたえるものだと指摘し、「利潤追求と効率のみを優先する意識と制度が持ち込まれれば、国民全体の奉仕者という性格が弱まり、公務がゆがめられることになる」とのべました。

 「能力・実績主義の導入」も採算や効率だけではかれない公務をゆがめるものであり、民間企業のノルマ主義が導入されたもとで起きた社会保険庁の保険料不正免除事件でも、その誤りは明らかだと批判しました。

 憲法で保障された権利であり、ILO(国際労働機関)からも再三求められている労働基本権の回復に言及していない問題点を指摘。「天下りをきっぱり禁止し、特権的キャリア優遇制度廃止、労働基本権の確立など公務員が国民全体の奉仕者として働ける民主的な改革こそ行うべきだ」とのべました。

 安倍晋三首相は、天下り規制廃止について「官民の闊達(かったつ)な人的交流を妨げる」と正当化。「官と民が互いの知識を生かすため官民交流を抜本的に拡大することが必要だ」とのべ、公務員を財界・大企業の奉仕者に変質させるねらいを示しました。


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