2007年5月12日(土)「しんぶん赤旗」

大阪湾開発の二の舞い

広域地域活性化基盤法が成立 小林議員が批判


 都道府県の計画を対象に交付金制度などを使い大企業誘致の支援と道路港湾等基盤整備をセットに推進する「広域地域活性化基盤整備法」が十一日の参院本会議で自民、公明、民主、国民新各党の賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、社民党は反対しました。

 本会議に先立つ十日の国土交通委員会での質疑で日本共産党の小林みえこ議員は、大阪湾臨海地域開発整備法による大阪ベイエリア開発事業の失敗を追及し、同じ誤りを繰り返す政府の広域地域活性化の手法の問題点を指摘しました。

 小林氏が、大阪湾ベイエリア開発事業のなかで破たんした中核施設についてただしたのに対し、国交省の中島正弘都市地域整備局長は「りんくうゲートタワービル、泉佐野フイッシャマンズワールド、大阪ワールドトレードセンタービル、大阪シティエアターミナルビルの四事業」が民事再生手続きに入るなど破綻(はたん)していることを認めました。

 小林氏が大阪湾ベイエリア開発事業の評価について、一九八二年から二〇〇二年までの製造業出荷額と粗付加価値額の動向をただしたのに対して、同局長はこの事業の対象地域では製造業出荷額が二十二兆六千億円から十七兆一千億円に減少し、粗付加価値額では八兆五千億円から七兆三千億円に減少していることを明らかにしました。

 さらに、小林氏はベイエリア開発機構に出資参加している大企業百十一社のうち二十一社だけみても〇一―〇三年度間に三万二千人の従業員リストラを行いながら、〇七年三月期決算では松下電器・新日本製鉄をはじめ大企業の多くが過去最高利益をあげている実態を告発。冬柴鉄三国交相は「(ベイエリア開発で)今の時点では住民にめいわくをかける事例があり申し訳ない」とのべつつも「指摘された点を反省しながら法案をすすめたい」と答えました。


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