2007年5月9日(水)「しんぶん赤旗」

首相、靖国に供物

4月の例大祭 「総理大臣」名で


 安倍晋三首相が靖国神社の春季例大祭(四月二十一―二十三日)に合わせ、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で、私費から五万円を出して神前に供える真榊(まさかき)を奉納していたことが八日、分かりました。靖国神社と複数の政府関係者が明らかにしました。


 政府関係者によると、供物はサカキの鉢植え一基。安倍晋三首相は八日夜、「靖国にかかわることが外交問題化している以上、参拝する、しない、供え物を出した、出さないということは申し上げない」と述べ、確認を避けました。

 首相は就任以来、靖国参拝の有無について明言しない方針を示しています。

 塩崎恭久官房長官は記者会見で「首相の私人としての思想信条にかかわる問題、事柄なのでコメントは差し控えたい。肩書を付けたから公人ということではない」と述べました。

 また、自民党の中川秀直幹事長は記者会見で日中、日韓関係への影響に関して、「靖国参拝についての首相の説明に理解は得られている。特段これで影響があることはない」と強調しました。

 首相はかつて、自民党幹事長代理だった〇五年に「次の首相も私は靖国神社に参拝すべきだと考えている。国民のためにたたかった人に尊敬の念を表すのはリーダーの責務だ」と述べるなど、もともと根っからの“靖国派”です。官房長官だった昨年四月十五日には、春季例大祭直前の靖国神社を参拝しています。

 今回は直接の参拝ではないとはいえ、現職首相が靖国神社に特別の地位を与え、先の侵略戦争を肯定する同神社の歴史観にお墨付きを与える行為であることにかわりはありません。

 靖国神社によると、現職首相が真榊を奉納したのは、一九八二年から八七年まで在任した中曽根康弘元首相以来約二十年ぶり。



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