2007年5月3日(木)「しんぶん赤旗」

統一協会

中南米 土地買い占め <下>

信者・幹部次つぎと


 統一協会が中南米で買い占めた広大な土地。その資金だけでなく、買収工作や“開発”、運営の要員も日本から送り込まれました。会員たちは「世界宣教のため」などとして駆り出されました。

ダミー組織

 一九九六年十一月にはダミー組織の世界平和家庭連合がウルグアイ・モンテビデオで開く行事に参加するという名目で四千二百二十人が大量出国。大半が女性信者でした。当時、全国原理運動被害者父母の会が、出国差し止めを求めて国会に出した陳情書は「親には事前に一言もなく、幼児を残したまま行ってしまう」「家庭を捨ててしまう」と、その異常さを指摘しています。

 この時の女性たちは、おのおの相当額の金を持参。資金の“運び役”の任務も帯びたのではないかとも伝えられました。送り込まれた女性がホテル十七階から転落死するという事件もありました。

 一般信者だけでなく、それを指揮する幹部も中南米に送り込まれました。今回、誘拐された太田洪量元原研(全国大学原理研究会)会長のほか、経済部門の責任者で霊感商法の元締め「ハッピーワールド」社長の古田元男、政治部門「国際勝共連合」理事長の梶栗玄太郎、文鮮明と一緒に米国ダンベリー刑務所に収監され、のちに日本統一協会会長にもなった神山威ら最高幹部の名前がずらり。

 小山田秀生統一協会会長も九五年に辞任して“巡回指導”と称して中南米に渡りました。

韓国でも…

 これと前後して、日本統一協会の指導部に、韓国から幹部が次々送り込まれました。“日本からの送金額が伸びず、文鮮明が日本人幹部に不信感を抱いた”という情報が流れたのもこのころです。その後、会長職などには日本人が就いているけれど、今も組織内には韓国人幹部が配置されているといいます。

 最近、統一協会は韓国に資金を投入。各地で土地を買収し、大型の「観光・開発事業」などに着手しています。また、集団結婚の相手に韓国人男性を指名されて韓国に渡った日本人女性は六千人近くとも伝えられています。

 一方、裁判でも違法との判決が相次いでいる霊感商法など、日本での集金活動は相変わらず活発です。全国霊感商法対策弁護士連絡会の調べでは〇五年の被害相談だけで二十八億円に達し、実際の被害額は年間に百億円を超すとみられています。(おわり)


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