2007年4月22日(日)「しんぶん赤旗」

押収減る一方の拳銃


 長崎市の伊藤一長市長が暴力団幹部の凶弾に倒れて間もない二十日、住宅街で暴力団員による銃撃、たてこもり事件が発生しました。政治テロから暴力団の抗争事件まで、銃器犯罪は毎年のように多発していますが、有効な対策は打てていません。

 警察庁発表の資料をもとに集計すると一九九六年から二〇〇五年までの十年間で発生した発砲件数は千四百十八件にものぼります。そのうち暴力団関係が千百二十一件と大半を占めています。死傷者も五百二十三人(死者二百三十四人)でています。

 日本は、銃器の所持が法律で厳しく規制されているにもかかわらず、多くの「非合法銃器」が存在していることが発砲事件の多さからも裏付けられます。国内で約五万丁の違法な銃が出回っているとの推計もあります。

 ところが警察による拳銃の押収件数は、減少傾向にあります。九六年に千五百四十九丁だった押収数が〇五年には四百八十九丁まで減りました。警察庁は、その原因について「暴力団等の犯罪組織が隠匿や密輸・密売の方法をますます潜在化・巧妙化させている」(『警察白書』〇六年版)と指摘。「武器庫」として倉庫や会社事務所を使用するなど、暴力団と一見、無関係な場所に銃を隠す手口が増えています。

 銃器による凶悪事件の続発は、政府・警察の対策の遅れを示すものです。一般市民を巻き込む危険性は強まるばかりで、暴力団と銃器の取り締まりにいっそう力を入れるべきです。

 暴力団に詳しいジャーナリストは「警察の違法銃器対策は、現状に追いついていない。日本共産党への違法な監視、妨害をする公安警察が偏重される一方で、暴力団対策など、本来の任務が重視されていない」と指摘します。(森近茂樹)


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