2007年4月22日(日)「しんぶん赤旗」
アジアメディア
安倍“タカ派”に警戒
米国とあつれき
韓国
韓国メディアは安倍政権が執着する憲法改悪などの「戦後レジームの清算」を強く警戒するとともに、北朝鮮核問題六カ国協議や日本軍「慰安婦」問題で米国との関係にあつれきが生じていることに注目しています。
韓国で最大発行部数の日刊紙・朝鮮日報は十五日付の社説で、安倍政権が平和憲法改定を任期内に実現すると明言していることに言及。「韓国にとって『軍事力と交戦権を回復した日本』は、日本自身が言う『普通の国』ではなく『普通でない国』となるほかない」と警戒を示しました。
社説は、安倍政権が靖国神社、歴史教科書、「慰安婦」の問題で「歴代政権の謝罪と約束を次々と覆してきた」として、「日本がいま追求している『普通の国』は、強力な経済力にぜい弱な歴史認識と倫理意識が結合した『普通でない国』だ」と批判。憲法九条を変える点では「野党の民主党も立場に大きな違いはない」と指摘しています。
朝鮮日報が発行する『週刊朝鮮』四月十六日号は、安倍首相が目標とする「戦後レジームの清算」が「戦後レジームを支える教育基本法と憲法」を変えることだと指摘。首相と中川昭一自民党政調会長や下村博文官房副長官が主導してきた「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」などが中心となって推進していると伝えました。
ソウル新聞十四日付は、「安倍首相の改憲への執着は歴代首相よりはるかに強い」とし、七月の参院選で改憲を争点にすると明言したことについて、「強硬保守のイメージとリーダーシップを前面に押し出し、保守勢力を結集する政治的意図がある」と報じました。
韓国日報十六日付は、米国が北朝鮮との直接交渉に乗り出したことにより、以前は六カ国協議で日米の結束と米韓の不協和音が特徴だったのが逆になったと指摘。米国には「日本が米国の変化についてこれない」との不満があると報じています。また安倍首相が「慰安婦」動員の強制性を否定したことが、「米国をさらに難しい立場に追い込んだ」としています。
地域を不安定に
各国
アジア各国の新聞は、安倍首相が憲法九条改定に執念を燃やすなど「タカ派」の政治姿勢を示していることに強い警戒心を表明しています。
マレーシア紙星州日報は十七日、中国の温家宝首相の訪日に関し「寒さはまだ取り除かれず、日中関係は楽観できない」と題する社説を掲載。中日両国の戦略的互恵関係の行方は「日本が歴史問題で再び物議をかもさないかどうかにかかっている」と指摘しました。
社説は、安倍政権発足後「日本の保守政治家が戦争犯罪の記憶を以前にも増してぬぐい去ろうとし、平和憲法改定を推進して経済大国・日本を政治・軍事大国に変えようとしている。こうした変化は域内情勢に不安定な要素を生み出している」と述べています。
社説は、安倍首相が日本の戦争責任や戦争犯罪、靖国神社参拝の問題で「あいまいな姿勢」をとり続けている点を厳しく批判し、「日本が再び軍備増強に向かうことは、新しい世紀の新たな脅威だ」としています。
香港紙・明報十四日付社説も、「安倍氏は首相就任後、靖国神社参拝問題であいまいな態度を保持し、『タカ派』の立場は変わっていない。『慰安婦』問題でも間違った見方を述べた。日中関係のもろさもここにある」と懸念を示しています。
シンガポール紙・聨合早報十四日付は、「日本と中国はさらに『氷を解かし』続けなければならない」と題する社説で、「日中の政治関係の不和には長い過程があり、たった一回の訪問で氷を解かすのは容易ではない」と指摘。背景に歴史問題があるとしています。

