2007年4月21日(土)「しんぶん赤旗」

日本の格差拡大指摘

国連報告 「非正規増加が要因」


 国連が十八日発表した「二〇〇七年アジア太平洋経済社会報告」は、日本での格差と貧困の拡大を指摘し、「経済回復にもかかわらず、雇用者はその恩恵にあずかっていないようだ」「企業所得は着実に増えているが、国民所得における雇用者所得の比率はこの五年以上、減り続けている」と述べています。

 同報告は、経済協力開発機構(OECD)の分析に基づき、格差の指標であるジニ係数でみた日本の家計所得の格差が一九八〇年代から徐々に拡大し、現在はOECD諸国平均より速く拡大していると指摘しています。

 賃金格差について、同報告は、特に若年層を取り上げ、二十五―三十四歳の賃金所得のジニ係数が九四年の〇・二二から〇五年の〇・二五に上昇したとし、低賃金の非正規労働者の増加によるものだと述べています。そして、非正規労働者の賃金が正規労働者に比べて40%も低く、この五年間に非正規労働者が倍加したと指摘しています。

 また、OECDによると、日本の相対的貧困率が八〇年代半ばの11・9%から二〇〇〇年の15・3%に増加したことをあげ、貧困ラインとそれ以下の貧困層の平均所得の隔たりを示す貧困格差の拡大をも合わせて評価すると、日本の相対的貧困はOECD諸国中でメキシコ、米国に次ぐ第三位だとしています。

 絶対的貧困率についても、九五年の7・5%から〇一年の10・8%に増加し、労働年齢一人世帯では7・5%から16・5%に増えたとする研究を紹介しています。

 さらに、生活保護世帯の増加、家計の貯蓄の減少、無年金者の増加、貧困脱却機会の減少なども指摘しています。



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