2007年4月21日(土)「しんぶん赤旗」

主張

改憲手続き法

主権者置き去りの暴走やめよ


 いっせい地方選後半戦のさなか、今週から参院ではじまった改憲手続き法案の審議で、与党の強硬姿勢が際立っています。

 改憲手続き法は国の基本法である憲法を改定する手続きを定める法律です。その制定は改憲に直結します。与党の提案者はこの法案について「国民主権の具体化」だとまで主張してきました。しかし、改憲のスケジュールに合わせ、ただひたすら成立を急ぐその姿勢は、「国民主権」どころか主権者を置き去りにするものです。

参院は「お飾り」扱い

 法案を審議している参院憲法調査特別委員会は、十七日の審議開始から三日連続で委員会を開きました。委員が議事録を精査し、法案についてまともな検討をする余裕も与えぬ、異常な日程です。文字通り国会審議を形骸(けいがい)化するものといわなければなりません。

 連日の審議は、与党がごり押しして無理やり決めたものです。参院で「審議はつくした」という形をとりつくろうために、四十時間という「目標審議時間」を勝手に決め、それが消化されれば採決を強行するという構えです。

 国民はそれほど急いで成立させることを望んでいません。それどころか、NHKの調査で与党案に賛成という人でも今国会成立を求めるのは一割もいなかったように、審議を尽くすよう求めています。

 参院での審議入りの本会議では、法案提出者として発言した自民党の保岡興治衆院議員は「ゼロからの審議でなく、足らざるところの審議を集中的に」と参院の審議のあり方に注文までつけました。二院制の原則をわきまえず、参院を衆院の決定を追認するだけの「お飾り」扱いする態度です。

 改憲手続き法案は、多くの国民の疑問や反対の声を「数の横暴」で断ち切って衆院で強行採決されたものです。それだけに、参院が本来の抑制機能を発揮することがなにより必要です。徹底した審議こそ国民にたいする責務です。

 改憲手続き法案が盛り込んだ改憲派に有利な仕組みも、主権者である国民の意思を無視して改憲を通しやすくするものでしかありません。

 現在の法案では、国民投票に最低投票率の規定を設けておらず、投票率によっては有権者の一―二割台の少数の賛成で改憲が成立してしまいます。これでは国民の総意による承認とはいえません。世論調査では八割が最低投票率の規定を必要という判断を示しています。

 公務員など国民の活動にさまざまな制約を加えていること、金の力で改憲を買い取る有料CMが野放しにされること等々、主権者の意思をふみにじる多くの問題点をそのままにして改憲手続き法を成立させることは、絶対に許されることではありません。

平和の願い示すとき

 安倍晋三首相と与党の自民、公明が「今国会での改憲手続き法成立」に固執するのは、首相の任期中に九条改憲を実現し、日本を「海外で戦争をする国」にしていくという「恐ろしい国」づくりのためであることは明白です。

 日本共産党は憲法九条の改悪に反対し、改憲派のたくらみに正面から対決している政党です。

 「憲法九条守れ」という声を広げ改憲手続き法を許さないたたかいを広げるとともに、いっせい地方選で日本共産党を大きくのばすことが、いよいよ重要になっています。



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