2007年4月20日(金)「しんぶん赤旗」

保険産業再生の道は

全損保がシンポ開催


 保険金の不払いが社会問題となっている損害保険産業の再生と展望を考えるシンポジウムが十八日夜、東京都内で開かれました。全日本損害保険労組の主催で約二百人が参加。パネリストからは、保険料や商品の規制を緩和し、無秩序な競争激化を招いた一九九八年の金融「自由化」への批判が相次ぎました。

 青山学院大学の本間照光教授は、保険業界を変質させる発端となった九四年の日米保険合意について、「アメリカでは規制を調和・促進する一方、日本には徹底した規制緩和を求める。現代版の不平等条約だ」と指摘しました。

 静岡大学の鳥畑与一教授は、金融「自由化」が消費者のためではなく、投機家のためだったとし、「国民に安心と安全を与える保険機能が市場原理のなかで衰退している」とのべました。

 全損保の吉田有秀委員長は、「自由化」のレールをしいた政治や行政の側の責任が問われないのが問題だと指摘。もうけのために九百人の外勤社員を切り捨てる東京海上日動火災保険の姿勢は、消費者無視の保険金不払いと根は一つだとして、リストラを撤回させるたたかいが業界のゆがみをただすことにつながると強調しました。

 シンポに続き、外勤社員制度廃止撤回を求めた訴訟で勝利判決を得た原告団が登壇。東京海上日動外勤支部の佐藤修二委員長は、不払い問題で石原社長が辞任したことについて、「判決に従うことが責任の取り方だ」と強調。会社を社会的に包囲し、地裁判決を守らせるたたかいに支援を呼びかけました。


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