2007年4月19日(木)「しんぶん赤旗」
世界の国内避難民
52カ国 2450万人
「対テロ戦争」が事態悪化
NGOが報告書
【ロンドン=岡崎衆史】ジュネーブに本部を置く非政府組織(NGO)「国内避難民監視センター」は十六日、紛争のため国内で避難生活を強いられている世界の国内避難民の状況について報告書を出しました。それによると国内避難民の総数は二〇〇六年末で、五十二カ国、二千四百五十万人に達しました。
報告書はまた、米国主導の「対テロ戦争」が「紛争を悪化させ、国内避難民を生みだしている」と警告しています。
報告書はイラクやレバノンなどでの紛争の影響で、〇六年は前年の二倍を超える約四百万人超が新たに避難民になったと指摘しています。
最も国内避難民が多い地域はアフリカで、二十一カ国に千百八十万人。避難民が多い国はスーダン(五百万)、コロンビア(三百八十万)、イラク(百七十万)の順。
中東については、「〇六年、新しい避難民の発生によって最も影響を受けた地域」と指摘。七、八月のイスラエルとレバノンの民兵組織ヒズボラの戦闘で、レバノンで百万人近く、イスラエルで三十万人が避難民になったとしています。
イラクについて報告書は、宗派紛争の急激な悪化と軍事行動により、昨年末までに約五十万人が国内避難を余儀なくさせられたと指摘しました。
アフガニスタンでは〇六年、北大西洋条約機構(NATO)軍と旧政権のタリバン勢力の戦闘で、国内避難民の数が再び増えています。