2007年4月16日(月)「しんぶん赤旗」

主張

商店街の振興

地域の「共有財産」をまもれ


 日本列島は、お花見から新緑のあざやかな春本番にむかっています。

 しかし街のにぎわいの中心である商店街は売り上げ不振のために、空き店舗と“シャッター通り”が増えて、寒々とした冬景色から抜け出せないところが各地にみられます。

 衰退している原因の一つは、大企業が史上最高の利益をあげて、長期景気をおう歌しているのに、貧困と格差が広がり、国民の消費購買力がなかなか盛り上がってこないからです。二月の商業販売統計によると、暖冬にともなう冬物衣料の不振などもあり、全国の小売業の売り上げは、前年同月比0・2%減となり、四カ月連続で落ち込みました。

「まちづくり三法」改正も

 商店街が衰退しているもう一つの原因は、大型店の身勝手な出・退店や郊外への巨大商業施設・ショッピングセンターの進出などによって、中心市街地の商店街の空洞化に拍車がかかっているからです。一九九八年に大規模小売店舗法(大店法)が廃止され、かわって制定された「まちづくり三法」(大店立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法)のもとで、郊外大型店の出店や深夜営業が野放しになり、市街地の空洞化は、いっそう深刻になりました。

 大型店の収益は、すべて地域外の本部が吸い上げますが、商店街の収益はその地域内の産業と雇用に還元され地域社会をうるおします。地域の商店街は、住民生活に必要な利便を提供し、地域のまつりや伝統・文化、青少年の教育、防犯・安全、防災への貢献など、「地域コミュニティーの核」です。商店街の多面的な機能は、地域社会と住民にとって「地域の共有財産」です。

 「まちづくり三法」が施行されて以後これまでに、大型店を規制して商店街を守るために、都市計画法にもとづくマスタープラン(まちづくり基本計画)をもつ地方自治体も増え、「まちづくり条例」をもつ自治体は千以上に広がっています。昨年十月には、福島県で、郊外への大型店出店に規制をかける「商業まちづくり条例」も施行されました。

 日本共産党は、〇四年五月に「大型店・商店街・まちづくりに関する政策提言」を発表し、大型店の身勝手な出・退店を規制できる新たな「まちづくりルール」を提案して、住民とともに運動をすすめてきました。

 「まちづくり三法」は、住民の運動と世論の広がりのなかで、昨年改正されました。郊外立地の規制強化を盛り込んだ都市計画法改正は一歩前進でしたが、大店立地法は強化されず、中心市街地活性化法「改正」は、商店街の活性化への支援ではなく、新たな土木・建設開発事業の支援策になっています。

 改正後も愛媛県今治市の敷地面積十万平方メートル、年間売り上げ百五十億円の大型ショッピングセンター誘致の撤回を求める署名、熊本市の大型店の撤退と大型商業施設計画への反対など運動は全国に広がっています。

日本共産党の前進で

 住民の願いに反し、自民・公明・民主党など地方議会での「オール与党」は、大型店の進出、大型商業施設などの開発事業を推進して、商店街空洞化に拍車をかけています。

 日本共産党は、「空き店舗活用や歩道、照明、駐車場の整備」、「高齢者への宅配支援、商品券補助」など、関係者の要望を踏まえた住民参加のまちづくり・商店街振興をすすめる具体的な政策を提案しています。

 商店街振興のためにも、「住民が主人公」の立場で住民とともに力をつくす日本共産党の前進が必要です。


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