2007年4月14日(土)「しんぶん赤旗」

偽装請負 自治体で広く

住民サービス・雇用壊す

自治労連調査


 自治労連は十三日、自治体業務の民間委託などで広がっている偽装請負や違法派遣の自治体調査結果を発表しました。田中章史副委員長らが都内で記者会見しました。


 調査したのは、国がモデルケースと推奨する愛知県高浜市、規制改革会議の幹部職員が市長に就いた京都府京丹後市、民間企業にも業務委託している広島県安芸高田市。

 三市とも100%出資会社などをつくり、そこに市が雇用していた非常勤職員を転籍させ、業務を委託したり、人材派遣を受けています。安芸高田市では、100%出資の事業団のほか、自治体業務請負大手の大新東にも委託しています。

 高浜市では窓口業務を委託しましたが、市職員と混在して働くなど実態は労働者派遣で、総務省も認めていない住民基本台帳などの端末操作まで行われていました。

 安芸高田市でも、委託会社に雇用された保育士が市職員の所長から直接指示を受けるなど偽装請負状態にありました。

 京丹後市でも、派遣受け入れ先の労働者代表の意見聴取がないなど法令が守られていない実態が明らかになりました。

 自治労連は、偽装請負が(1)自治体で広く存在している(2)当局が法令に関心を持っていない(3)窓口業務、プライバシー保護など住民サービスに支障をきたす―と指摘。委託先職員も低賃金で、自治体がワーキングプア(働く貧困層)をつくりだしていると強調しました。

 是正する場合は、派遣ではなく「直接雇用」にすること、人材派遣では住民サービスを守れないため自治体については人材派遣の適用除外にするよう求めています。

 記者会見で田中副委員長は、栃木県野木町で派遣法に反して働かされていた派遣保育士が自治労連に加盟して交渉し、直接雇用をかちとったことを紹介。「住民サービスと労働者の雇用・労働条件を守るために、総務省や厚労省に対して自治体から偽装請負・違法派遣を一掃するよう求めていきたい」とのべました。



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