2007年4月9日(月)「しんぶん赤旗」

米大リーグ松坂投手

怪物級の注目度

国連記者も取材に来た


 「ダイスケ」「ダイスケ」―。ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手(26)が米大リーグで初勝利をあげた翌日(六日)、カンザスシティーの市民から何度も声をかけられました。開幕前から大きな注目を集め、鮮烈なデビューを果たした松坂投手に、熱い視線が注がれています。(カンザスシティー〈ミズーリ州〉=栗原千鶴、鎌塚由美)


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(写真)松坂選手の活躍をつたえる地元紙カンザスシティー・スター

 地元紙カンザスシティー・スターは一面で初登板の様子を写真つきで紹介、対戦した打者へのすべてのボールを図入りで載せる熱心さです。ホーム・アンド・アウェーが定着している米国の相手本拠地で、これだけ話題になるのは珍しい。ここはボストン? と勘違いしてしまいそうなほど、報道やファンの好意的な反応に驚かされました。

 初登板はニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなど、多数のメディアが取材しました。

 世界二百十二カ国・地域に放送網を張り巡らせている米CNNテレビは、長年、国連特派員として活躍している名物記者が駆けつけました。「CNNは野球報道もしていますが、国連特派員として野球場に取材に来たのは私が初めて。この国で、何が起こっているのか世界に知らせたい」

 地元公共ラジオ局KCURのシルビア・マリア・グロスさん(33)は、日本のマスメディア百三十人が来ていることを知り、興味を持ちました。野球は専門外ですが「社会現象として取り上げようと思った」といいます。「日本の観光客はたまにはやってくるけれど、メディアがこれだけやってくることは、普通ではありません」と、日本からきた解説者などに熱心に聞いて回っていました。

 球場には、こうした報道を見て多くの人がかけつけました。

 リチャード・アダムスさん(69)は「いつ見られるか分からないから」と、松坂投手が五日に投げることを知り、旅行の予定を一日延ばして、観戦しました。

 なぜ松坂投手が、ここまで注目されるのか。

 一つは、レッドソックスが獲得につぎ込んだ一億ドル(約百十八億円)といわれる金額の大きさにあるでしょう。多くの米メディアは、それに対する重圧に松坂投手がどう対処するか、注目していました。

 レッドソックスの本拠地で発行するボストン・グローブ紙は登板の翌日、「われわれは、松坂が初シーズンで期待にこたえるのは、ほぼ不可能ではないかと見積もった。しかし、彼はやってくれた」と称賛。ニューヨーク・タイムズ紙も「この才能のあるピッチャーは誰だ? 彼はレッドソックスの最良の選手になるかもしれない。レッドソックスは一億三百万ドル(約百二十二億円)を賢く投資したか? 今のところ賢明な投資だ」。

 もう一つの理由は、彼の技術の高さです。

 松坂投手は、八種類の球種を操ります。開幕前は、“魔球”とうわさされた「ジャイロボール」が話題になりました。自らにあった調整方法として、春季キャンプでは多くのボールを投げ込んだことにも、米メディアからは驚きの声が上がっていました。

 ボストン・グローブ紙のスポーツコラムニスト、ダン・ショウネッシーさんは、松坂投手の成功は、「米国人に選手の育成の仕方を再考させる機会になるかもしれない」と語りました。

 今後も松坂投手の活躍に、日米で注目が集まりそうです。


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