2007年4月8日(日)「しんぶん赤旗」

チリで選挙制度改革

民主化へ一歩

小政党の不利是正


 【メキシコ市=松島良尚】チリのバチェレ大統領は五日、ピノチェト軍政時代の小政党に不利な選挙制度を一部是正する法案に署名しました。選挙制度改革は、政治分野で最後に残った「民主化の積み残し」ともいわれてきました。新制度でチリ共産党が国会議席を持つ可能性が強まります。

 現行制度は上院(定数三十八)、下院(同百二十)とも二人区。与党連合と右派連合が両院とも無所属の一議席を除く全議席を占めています。この制度はまた、与党連合の候補者がその選挙区で一位、二位になっても、二議席を独占するにはその合計票が右派連合票の倍に達しなければなりません。そのため、ほとんどの選挙区で両連合が議席を分け合っています。右派勢力温存のため軍政があみだした制度です。

 政府法案は、現行の二人区制はそのままにして下院に新たに二十議席増やし、全国的に得票率5%に達した政党連合に五議席を与えるというもの。二人区で五議席以上獲得した政党連合にはこの五議席はなく、残りの議席は比例配分されます。

 バチェレ大統領は「歴史的だ。私がめざしていた比例制度ではないが、重要な修正だ」と強調。上院選挙に改革が及ばなかったことを含め、右派連合との交渉が困難だった様子をにじませました。

 チリ共産党を中心とする左翼連合は二〇〇五年の下院選挙で得票率7・4%でした。新制度にあてはめれば六議席になります。同党のティリエル議長は「選挙制度の完全民主化に向けた重要な一歩になるだろう」と述べています。


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