2007年4月7日(土)「しんぶん赤旗」

共産党は宗教や信仰を否定する政党ではないのか?


 〈問い〉 日本共産党は、宗教を否定する政党ではないのですか。「しんぶん赤旗」に載る党員の訃報記事に「葬儀は○日、○寺で」とありますが、これは自己矛盾ではないでしょうか? マルクスは「宗教はアヘンである」と言っています。(香川・一読者)

 〈答え〉 「宗教はアヘンである」という言葉は、当時25歳だった青年マルクスが使ったものですが、それ以前に観念論哲学者のヘーゲルや詩人ハイネも使っています。

 マルクスの場合、「アヘン」という言葉の前に「宗教は、悩めるもののため息であり」といって、政治権力と結びついた当時のキリスト教が民衆の不満をおさえ、支配を保つ役割を果たしていることを批判しているのであって、宗教そのものを否定する意味で使っているのではありません。レーニンも聖職者の入党を認めるという態度をとりました。

 日本共産党が指針とする科学的社会主義は、世界観としては宗教的世界観と異なりますが、宗教の存在を否定して宗教の廃止を主張するものではないこと、宗教には社会進歩に貢献してきた歴史もあること、未来社会においても宗教を信ずる人びとの信教の自由は保障されなければならないことなどを解明してきました。

 日本共産党綱領は「信教の自由を擁護し、政教分離の原則の徹底をはかる」と明記しています。「しんぶん赤旗」には連日のように宗教者が登場しており、この綱領を決めた日本共産党第23回大会では、党と宗教者との協力をどう綱領に盛りこむかが討議のテーマの一つとなりました。日本共産党が宗教者の信条を尊重し、共同を重視していることの現われです。宗教者の入党も当然のこととして認められています。

 日本共産党規約が「科学的社会主義を理論的な基礎とする」としているのは、政治経済社会の諸問題にたいして科学的社会主義の見地でとりくむという意味です。日本共産党は政党であり哲学団体ではありませんから、「綱領と規約を認める人は党員となることができる」(規約第4条)のです。副委員長で参議院議員だった故小笠原貞子さんはクリスチャンでした。住職の党員が参議院選挙の候補者となったこともあり、第22回党大会では住職の党員が代議員として発言しています。日本共産党の地方議員や候補者にも住職や住職夫人、神職、キリスト教、天理教などの宗教者が少なくありません。

 日本共産党の党員の葬儀では、信教の自由をまもりますから、寺院や教会でとりおこなわれる場合も、他の場所の場合も、特定の宗教儀礼の場合も、そうではない葬送の場合も、それぞれの党員の遺志と遺族や関係者の自由な選択にゆだねられています。(平)

 〔2007・4・7(土)〕


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