2007年4月4日(水)「しんぶん赤旗」

米上院民主党

イラク米軍「撤退」に拒否権なら

戦費打ち切り方針


 【ワシントン=山崎伸治】イラク米軍の撤退期限を盛り込んだ二〇〇七会計年度追加予算に関し、民主党のリード上院院内総務は二日、ブッシュ大統領が拒否権を発動した場合、戦費の支出を二〇〇八年三月末で打ち切る法案の成立を目指すとの考えを示しました。イラク問題をめぐる議会とホワイトハウスとの対立は、復活祭の休会中も激しくなっています。

 米国では予算の作成権は議会にあります。議会が決めた予算法案は大統領が署名して成立しますが、大統領が拒否権を行使した場合は、議会で三分の二以上の多数で可決されれば成立します。

 リード氏が言及した法案は同党のファインゴールド上院議員が提出したもの。対アルカイダ作戦やイラク治安部隊訓練などに従事する米軍部隊に対するものを除いて、戦費支出を停止するとしています。

 民主党はこれまで、戦費の支出自体は容認してきました。リード氏の表明はこれを転換するものです。

 追加予算は三月二十九日に上院で可決され、下院と異なる内容となったため、両院協議会に諮られることになりました。ところが当初、復活祭の休会中の審査も辞さない構えだった民主党が態度を変更。議会は休会入りし、上院は四月十日、下院は十六日まで再開されず、追加予算がホワイトハウスに送付されるのはかなりずれ込みそうです。

 これに関連して、チェイニー副大統領は二日、アラバマ州バーミンガムでの演説で、撤退の「予定表」を盛り込んだ追加予算にブッシュ大統領が拒否権を発動すると改めて強調しました。

 ホワイトハウスはまた、休会中にペロシ下院議長がシリアを訪問することについて不快感を表明。ペロシ氏はシリアとの対話は重要だとして意に介さない様子で、ホワイトハウスと議会の民主党との対立はますます激しくなっています。



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