2007年4月2日(月)「しんぶん赤旗」

憲法・教育の条理にも反する関連3法案

NHK日曜討論 小池氏が発言


 日本共産党の小池晃政策委員長は、一日放映のNHK「日曜討論」で、安倍内閣が今国会の重要法案と位置付ける教育関連三法案について、「そもそも昨年十二月に強行された改悪教育基本法は憲法違反であり、その具体化である三法案は、憲法にも教育の条理にも反する」と主張しました。

 義務教育の目標に「国と郷土を愛する態度」を盛り込んだ学校教育法改定案について、小池氏は、「国語や算数よりも、『国を愛する態度』が優先的な中心課題として、押し上げられた。子どもの思想・良心の自由を侵害することになる」と指摘。安倍首相のいう「愛国心」とは、政権中枢に「従軍慰安婦はなかった」という人たちが座るなど「日本の過去の歴史のマイナス面を子どもに教えない、極めて偏狭なものだ」と批判しました。

 自民党の中川昭一政調会長は、「教育基本法に明示されたものを、学校教育法で具体化し、学習指導要領に明記するだけだ」と、「愛国心」を盛り込む議論は“決着ずみ”であるかのように発言。小池氏は「改悪基本法の審議でも大問題になり、『愛国心通知表』は撤回されたではないか」と批判しました。

 また、中川氏は、学校教育法改定案で、義務教育の目標に「愛国心」を盛り込んだ狙いについて、「学習指導要領で国旗・国歌を教えなければいけないのに、一部の先生たちがルールを守らない。これはなんとしても排除しなくてはいけない」と表明。小池氏は、「結局、強制を強めるということだ。『愛国心』を義務教育の目標にして、学習指導要領にすえる。そして、先生が学習指導要領を守らないと攻撃する。これは、『内心の自由』に踏み込むものだ」と批判しました。

 小池氏は、十年ごとに教員免許を更新する免許改定法案について、「先生が子どもたちの方を向くのでなく、上ばかり見るようにゆがめる危険性がある」と批判。「大切なことは、教育予算を増やして、本当の意味でゆとりある、子どもに向き合える教育にすることだ」とのべました。


 教育関連三法案 (1)教員免許を十年ごとの研修で更新させる教員免許法改定案(2)「国と郷土を愛する態度」などを義務教育目標に明記した学校教育法改定案(3)教育委員会に文部科学相の指示権を新設する地方教育行政法改定案です。



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