2007年3月31日(土)「しんぶん赤旗」

高校教科書文科省検定

沖縄戦での住民集団自決

「日本軍が強制」を削除


 文部科学省は三十日、来年四月から主として高校二年生以上が使う教科書の検定結果を公表しました。日本史では、太平洋戦争末期の沖縄戦の「集団自決」について「日本軍に強制された」とした記述に対し、「軍が命令した証拠はない」として書きかえさせました。「住民が自ら進んで死んだとして美化するもの」(安仁屋政昭沖縄国際大学名誉教授)と批判が起きています。

 「集団自決」の記述を書きかえさせられたのは五社七点の日本史教科書。いずれも申請段階では日本軍が「自決」に「追い込んだ」「強制した」などと書いていましたが、「実態について誤解するおそれがある」との検定意見がつきました。このため各社は「日本軍」という主語を削るなどしました。

 申請段階の文章はいずれも四年前に合格したものとほとんど同一の記述でした。

 文科省は「元軍人が起こした訴訟で命令はしていないという陳述があり、調べた結果、ほかにも命令はなかったという証言があったため、今回から断定的な表現に意見を付けた」としています。

 これに対し、歴史研究者や教科書関係者からは「沖縄戦に関する学説状況が大きく変化したわけではなく、軍命令はなかったとの立場から断定的記述を強制したことはきわめて不当だ」(俵義文・子どもと教科書全国ネット21事務局長)と批判の声があがっています。

 一方、「従軍慰安婦」については六社十六点の教科書が取り上げましたが、修正意見はつきませんでした。

 今年度の検定には十一教科二百二十四点の申請があり、生物IIで二点は検定意見の数が基準を超えたため不合格になりました。理科や数学では、学習指導要領の範囲を超え「すべての生徒が学ぶ必要はない」とされる「発展的内容」の割合が倍増しました。



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