2007年3月28日(水)「しんぶん赤旗」

英医学誌調査

イラク人死者 65万人

開戦直前から昨年6月末まで

政府関係者 「信頼できる」


 【ロンドン=岡崎衆史】英BBC放送は二十六日、イラク戦争開始後のイラク人死者数が六十五万人を超えたとする英医学誌の研究論文について、英政府関係者が信頼できるとみていたことを明らかにしました。

 医学誌『ランセット』は昨年十月十一日、イラク戦争開始直前から二〇〇六年六月末までの死者数を六十五万四千九百六十五人とし、このうち六十万一千二十七人が暴力行為によるものだとする研究論文を発表しました。米英両国政府は、調査は信頼できないとの立場を表明していました。

 しかし、BBCが情報公開請求によって得た英国防省と外務省の内部資料によると、英政府関係者からは調査を信頼する声が出ていました。

 国防省のロイ・アンダーソン科学顧問は、調査が明らかにされた二日後の昨年十月十三日付のメモで、「研究の骨格は確固としており、イラクの現状でのデータ収集と証明の難しさを考えた場合、この分野で『最良のやり方』に近い方法を採用している」と指摘。

 また外務省でやり取りされたメールで職員の一人は、「使用されている調査方法は無価値なものと扱われてはならない。紛争地での死亡率を算出する試され済みの方法だ」と述べていました。

 『ランセット』掲載の調査は、米国のジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部とイラクのムスタンシリア大学が共同で実施したもの。イラクの四十七集落で千八百四十九世帯一万二千八百一人を対象に調査が行われました。

 〇二年一月から〇六年六月までを対象とした調査では、人口千人当たりの死亡者は戦争前が年間五・五人だったのに対して、開戦後は同十三・三人に急増していたことから、イラク全土での死亡者数を推測しました。

 イラク保健省は昨年十一月十日、イラク戦争開戦後のイラク人死者が推計で約十五万人に上るとする独自調査を発表しています。



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